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 フィールド・トライアル開始時に参加した企業は12社だが,NTTは参加企業の募集を続け,最終的には30社近くになるという。2006年12月のトライアル開始当初に参加した企業に加えて,イー・アクセス,富士通,インターネットイニシアティブ(IIJ),EditNet,グローバルソリューション,フリービットなどが新たにトライアルに参加することが判明した()。

表 NGNフィールド・トライアルに参加する企業
表 NGNフィールド・トライアルに参加する企業
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一般モニターへの対象拡大で新たにトライアル参加

写真 富士通のWebコラボレーション・システム「JoinMeeting」
写真 富士通のWebコラボレーション・システム「JoinMeeting」[画像のクリックで拡大表示]

 富士通は,2007年4月の一般モニターへの対象拡大に合わせて検証を開始する。検証内容は,同社のWebコラボレーション・システム「JoinMeeting」(写真)の動作確認だ。JoinMeetingは最大500人のユーザーが利用可能で,映像と音声を使ったWeb会議では同時に18人が利用できるシステム。フィールド・トライアルでは,Web会議のほか,社長のメッセージなどを一斉に伝える同報配信も予定している。

 JoinMeeting自体は2003年から販売しているが,通信品質を保証しないベストエフォートのインターネット上では帯域の状態によって会議参加者の映像が乱れたり,場合によっては映像が見えなくなる。NGNを使うことで「課題である画像の不安定さを解消し,サービスの質を向上させたい」と,富士通ネットワークサービス事業本部FENICSシステム統括部ASサービス部の福島敦部長は意気込む。

 NECビッグローブも,パソコンで視聴するタイプのハイビジョン映像配信サービスのトライアルを開始する。ハイビジョンの映像コンテンツを見たいときにいつでも視聴できるサービスで,首都圏のビッグローブ会員の一般モニターを対象に提供する予定だ。

「オープン」と「コラボレーション」を試される

 インターネット接続事業者(ISP)も,トライアルを一般モニターに拡大するタイミングで相次いでトライアルに参加する。例えば,IIJはNNIとUNIによる接続を検証する予定だ。NGNで新たなサービスを立ち上げるのではなく,アクセス回線として既存のBフレッツとどう違うのかを確認するのが主な狙い。「NGNで何かが大きく変わるというよりも,新しいアクセス・サービスが一つ増えるという認識」と IIJの浅羽登志也副社長兼ネットワークサービス本部長は話す。

 現在のNNIではベストエフォート型の接続しか提供されておらず,NGNの新機能が利用できない。それが新サービスに消極的な理由だ。同社は今後,ユーザーごとにQoSを設定する機能などの提供をNTTに要望として出していきたいという。

 NNIを使った相互接続については,他の通信事業者からも「コア・ネットワークの品質制御インタフェースの開示を求める」という声が上がっている。 NTTがフィールド・トライアルのキーワードとして掲げる「オープン」と「コラボレーション」の真価を試される場面が今後ありそうだ。

魅力的になるかは料金体系次第

 フィールド・トライアルが始まった一方で,その参加企業やユーザーの最大の関心は,商用サービスの料金体系である。

 トライアルでハイビジョンのテレビ会議システムやマルチキャスト・カメラの開発実験を行うソニーもその1社。ソニーB&P事業本部IPELA部門 IVCアプリケーション技術部の國頭義之主任技師は,ハイビジョン画像のストリーミング配信で画質を安定させるためには「現在は専用線サービスを利用することになり,インターネットに比べてコストが1けたか2けた高くなる」と説明する。そこでNGNのサービス料金がインターネットと同レベルになれば「利用が進むのではないか」と期待する。

 NTTは,まだNGNのサービス料金について明らかにしていないが,「ビジネスを考える上でも,一日も早く料金を公開してほしい」と要望する声は少なくない。NGNがいくら高い質のサービスを提供しても,高額であればユーザーは使わない。NTTの和田社長は「課金方法はサービスの品質や量によって多様化されたものになる。ユーザーにとって,使い勝手の良い料金にしたい」と話す。

 NGNを活用したサービスは,今後も次々に登場するだろう。しかし,新サービスがより魅力的なものになるかどうかは料金次第と言っても過言ではない。