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 NGNの国際標準は,国連の傘下にある通信技術の標準化団体ITU-Tが決めています。現在,ITU-Tでは「リリース1」と呼ばれる,NGNの標準をまとめたものを策定しています。

 このリリース1の内容は,ステージ1~3の三つに分類されています。ステージ1はNGNが持つべき要求仕様を定めています。ステージ2は,その仕様を実現するためのアーキテクチャを決めています。そして,ステージ3は,そのアーキテクチャを実装するのに必要なプロトコルを決めるものです。ITU-Tでは,すでにステージ1と2の勧告を終えています。ステージ3は2007年9月に勧告される予定です。

欧州の標準化団体で完成済み

 では,NGNは未完成なのかというと,実はそうではありません。ITU-Tに先駆け,欧州の通信関連の標準化団体ETSIは,NGNの仕様を決めるためのTISPANという団体を2004年に設立しました。ITU-Tは,TISPANが決めたNGNの仕様をほぼそのまま踏襲しています。TISPANでは,リリース1のステージ3まで,すでに作り終えています。ですから,ITU-Tの残りの作業は,承認の手続きのみです。

 NGNリリース1のアーキテクチャは,図9のようになります。IPパケットによるデータ転送機能を担う部分は「トランスポート・ストラタム」と呼ばれています(ストラタムは「層」を意味します)。そのトランスポート・ストラタムやさまざまなサービス機能を制御する部分は「サービス・ストラタム」と呼ばれます。こうした転送機能やサービス制御機能を個別に提供できる点がNGNのアーキテクチャの特徴です。通信事業者は,それらの機能を任意に取り出し,サービスとして提供できるのです。

図9●ITU-Tが定めたNGNのアーキテクチャ
図9●ITU-Tが定めたNGNのアーキテクチャ
ITU-Tでは,NGN全体のアーキテクチャやインタフェースの仕様を定めている。 [画像のクリックで拡大表示]

 リリース1の後には,リリース2の策定が始まります。まだ具体的な内容は詰められていませんが,リリース1で詳細に決められなかったプロトコルが検討される予定です。

 サービス制御の核となるプロトコルはSIPです。NGN向けに使われるSIPは「IMS」と呼ばれています。IMSの仕様は,携帯電話関連の標準化団体「3GPP」が決めています。

 3GPPの役割はSIPの利用方法などを決めることで,SIPそのもののプロトコル仕様を決めるのは,インターネット関連の標準技術を決めるIETFになります。IMSの用途でSIPに足りない機能が出てきた場合,3GPPはIETFに対してSIPの仕様の追加や変更を依頼することになります。

【Answer
ITU-Tから詳細部分の勧告はまだ出されていませんが,実質的に完成しています。