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 先日,賃貸物件の情報サイトにアクセスしていて,こんなことがありました。そのときは物件の検索をしていたのですが,興味をひかれた物件の詳細情報ページをタブで開いて,そのまま開きっぱなしにしておいたのです。

 筆者は,興味があるページに出会うと,それを別のタブに開いておく癖があります。いつもタブが数十個とか開いているのをみた周りの人から「タブ開きすぎ」とよく言われます。そのときもいつもと同じ調子で,タブに物件情報をいくつか開いていました。

 そしてその後,しばらく時間がたって,パソコンを再起動しました。そのときタブは開きっぱなしだったので,ブラウザを再起動した際に,開かれていたタブはすべてもう一度表示されたのですが,そのサイトの物件情報のページは,もはや物件情報は表示されず,「セッションが有効期限切れになった」というエラー・メッセージだけが表示されていました(図1)。

図1●表示されたエラー・メッセージ(イメージ)

 その理由は,エラー・メッセージに書かれていたとおり,そのサイトでは,物件の検索や表示でセッション管理を行っていて,その有効期限が切れていたからです。そのサイトの場合,URLにセッション情報が書き込まれているようで,初めてアクセスした後,しばらくのあいだはリロードしてもきちんと表示されますし,ほかのブラウザからでも,同じURLでアクセスができました。

 セッション管理,というとログインを必要とするサイトで,ログイン状態を保持するために利用される例なんかを思い浮かべます。しかしこのサイトでは,特にログインをしたわけではなくて,ただ単にトップページへアクセスして,そこから検索を行っただけです。

 これは非常に不便だなあ,と思いました。「セッションが切れた」なんていう普通の人には意味不明だと思われるメッセージも「もう一度同じ情報を見るにはどうしたらいいか」がきちんと示されたメッセージに変えたほうが便利だと思います。しかし,それよりも何より,ブックマークに登録できないとか,URLを記録しておいて,それを頼りにもう一度アクセスすることができない,というのは,少なくとも筆者にはかなり使いづらい気がしました。

 こうした作りのサイトは,ほかでも見たことがあります。記憶をたどってみると,格安航空券を検索したときに,やっぱりしばらくするとセッションがタイムアウトしてアクセスできなくなるサイトに出会ったことがあります。こうした作りは,利用者にとってすごく不便です。筆者はこういう情報検索系のサイトの作成や運営に携わったこともなく,こうした作りにするメリットがぱっと思い浮かびませんでした。

 ということで,今回は,この例を題材に,どうしてこういう作りにしているのか,実は自分の気づいていないメリットがあるんじゃないのか,と考えてみることにしました。どうしてこんなことをするのかといえば,「このサイト,使いづらいなあ」と思ったときに,それが何で使いづらいのか,使いづらいと思っているのは実は自分だけだったりしないのか,といったことを考えるのって,有効なんじゃないかな,と思っているからです。

 使いやすさ,使いにくさの感覚は,人によって違ってきます。自分が受けた印象から考えを広げていくことで,自分の気づいていなかった使いやすさのヒントを得ることができるんじゃないでしょうか。今回はそんな思考実験にお付き合いください。

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