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 ユーザビリティ、SEO(検索エンジン最適化)の視点から、ヤマト運輸のWebサイトを、トップページ中心に検証してみよう。

 まずは、ユーザビリティについて。ヤマト運輸のWebサイトはサイトビジター向けの入り口をきちんと分けて提示しているものの、ビジターの目的と、ヤマト運輸のサイト設定目的が微妙にズレてしまう可能性が見つかった。

 ヤマト運輸のサイトは、BtoB、BtoC両方の役割を兼ねている。一般に、BtoBとBtoCとでは、ビジターが利用したいコンテンツが、大きく異なることが多い。同サイトでも、「個人のお客さま」「法人・個人事業主のお客さま」と入口を分けている(ヤマト運輸サイトの場合、サイト全体のトップページイコール「個人のお客さま」のトップという構成だが、この記事では、便宜上、「個人のお客さま」トップと呼ぶことにする)。

スクロールが必要なメインコンテンツ

 「個人のお客さま」トップ、「法人・個人事業主のお客さま」トップでは、それぞれのターゲットビジターの利用目的に応じたサービスを紹介するコーナーを配置している。「荷物を送りたい」「荷物を受け取る」といったビジターの行動に合った分かりやすいラベルを付けることで、ビジターを目的とするコンテンツに的確に誘導しようという配慮がなされている。

 ただし、細かい点ではさまざまな問題がある。まず、利用目的に応じて的確にビジターを誘導する目的で配したコーナーに、ビジターの目的に合わないバナーをたくさん配置していることだ。これは、「個人のお客さま」トップ、「法人・個人事業主のお客さま」トップの双方に見られる問題だ。

 また、どちらのトップページも、ディスプレイの表示解像度やWebブラウザーの文字サイズの設定によっては、メインコンテンツであるサービ紹介のコーナーを見るために、ページをスクロールしなければならない。メインコンテンツは、スクロールしなくても閲覧できるように配慮するべきだ。

図1 個人ビジターをターゲットにした各サービスへのコーナー(青枠)の上に、ビジターが主目的としないバナーをたくさん配置している(赤枠)。赤枠の下段に配置した3つのバナーはいずれも動くため、情報を探す時に注意が散漫になっている可能性が高い
図1[画像のクリックで拡大表示]

 企業サイトを訪れるビジターは、非常にせっかちで、自分が求める情報をすぐに探せないとイライラする。特に、ヤマト運輸サイトの場合、サービス紹介コーナーの上に配置した3つのバナーはいずれも表示内容が切り替わるため、ビジターは情報を探す時に、注意をそがれてしまう可能性が高い。企業側には、ビジターへ伝えたい情報があり、それを目立つバナーの形で提供することは間違っていない。しかし、メインのコンテンツの表示に支障をきたすのでは、本末転倒になる。

 また、表示内容が切り替わるバナーは、限られたスペースで多くの情報を盛り込むために使用していると思われるが、バナーの表示内容を最初から最後まで見てくれるビジターはまれであると考えた方がいい。たくさんの内容を切り替えるバナーの場合は、見るタイミングによって必要な情報が伝わらない恐れもある。

図2 企業サイトを訪問したビジターは自分が目的とする情報を探すのに集中したいので、以下のようなストーリー仕立てのバナーを、最初から最後まで見てくれるビジターは少ないと認識すべき。見るタイミングによっては、情報が全く伝わらない恐れもある
図2[画像のクリックで拡大表示]