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大成建設は,2006年7月にNTTドコモのFOMA/無線LANデュアル端末「N900iL」を約600台使った無線IP電話システム(モバイル・セントレックス)を正式稼働させた。外来波や端末切り替えによる操作への不安,外出時間が長くバッテリーが持たないといった課題を,時間をかけて対処し順調な稼働にこぎつけた。

 大成建設は,NTTドコモのFOMA/無線LANデュアル端末「N900iL」を約600台使った無線IP電話システム(モバイル・セントレックス)を導入,2006年7月に正式稼働させた。今回N900iLの利用を開始したのは,新宿本社ビルに在籍する営業担当者。

写真1●米メルー・ネットワークス製の無線LANアクセス・ポイントを45台設置
写真1●米メルー・ネットワークス製の無線LANアクセス・ポイントを45台設置
 沖電気工業のSIP(session initiation protocol)サーバー「SS9100」1台,米メルー・ネットワークス製の無線LANスイッチ1台と無線LANアクセス・ポイント(AP)45台で,営業部門の3フロアすべてをカバーする(写真1)。

 新内線システムでは1人1台配布されたN900iLを持ち歩きながら,内線,外線を受けられるため,従来あった固定型のビジネスフォンは災害時などの緊急用を除いてすべて撤去。ダイヤルインも併せて導入し,電話の取り次ぎはほぼ不要となった。

 情報システム部門が主体となって導入するケースが多いなか,大成建設のモバイル・セントレックスは,導入対象である営業部門が率先して進めるという他社ではあまり見られないプロジェクト体制を採った。「現場の営業担当者はどこにいても効率的に仕事ができるオフィス環境を早急に必要としていた」と,プロジェクトの責任者である吉田正大営業推進本部管理部管理室課長代理はその理由を語る。

2年前から進めてきたプロジェクト

 今回のプロジェクト構想は約2年前から検討していたもの。狙いはフリーアドレスを念頭に入れたオフィス環境の整備である。

 大成建設の営業担当者は会議や外出などが多く,離席時間が極めて長い。このため,顧客や他部署からの電話を受けられないケースが頻発していた。電話の取り次ぎに手間がかかるだけでなく,社内にいるのに携帯電話でかかってくるなどの無駄も多かったという。そこで行き着いたのが,社内ならどこでも電話を受けられるモバイル内線システムだった。

 当初は,以前から東京支店に導入されていた構内PHSが第1候補に挙がった。しかし営業部門にとって構内PHSは非効率。すでに配布していた携帯電話に加え,PHSを新たに持たせることになるからだ。

 そんな折に候補として急浮上したのが,内線電話と携帯電話が一体となったN900iLだった。「社外ではiモードで,社内では無線LANで社内電話帳が閲覧できるほか,プレゼンスやインスタント・メッセージなど,当社が目指すフリーアドレスのオフィス環境にぴったりと判断した」(吉田課長代理)。大成建設は当時発表されたばかりのN900iLに白羽の矢を立てた。