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 デジタルラジオ---このサービス,読者の皆さんはご存じでしょうか?2006年の暮れに,デジタルラジオの受信に対応した携帯電話の第1号機が発売になり,一般のユーザーが放送を耳にできるようになったばかりの新しいサービスです。地上デジタル放送の一種類であり,現在は“本格的放送”が始まったところというわけです。

 携帯電話などの移動端末で受信できる放送というと,アナログのテレビ/ラジオはもとより,地上デジタルテレビ放送の「ワンセグ」がすでに本放送を始めています。そこにもう一つのメディアが加わったのです。デジタルラジオは,ラジオとはいうものの,静止画や簡易動画を併せて放送できる新しいメディアです。

 とはいえ,2006年4月にワンセグがサービスを始めたときのように,大きな話題にはなっていません。現状は東京と大阪での試験放送との位置づけであり利用エリアが限られることが一つの要因でしょう。また,いつも見ている「テレビ」が携帯電話でキレイに見られる,といった分かりやすいインパクトに欠けることも話題性という面では損をしているのかもしれません。

 筆者にとってラジオとは,今となってはクルマの中でたまに電源を入れる程度のものでしかありません。デジタルならではの音質や受信安定性のメリットはあるとはいえ,デジタルラジオが聴けることに,新しい意味をあまり感じていませんでした。携帯電話なら,ワンセグが見られればそれで十分かなと思っていたのです。

 最近,デジタルラジオについての取材に同行して,ちょっとだけその考えに修正を加えたくなりました。デジタルラジオでチャンネルを持つ放送局の方への取材で,「デジタルラジオは音だけで完成したコンテンツ」という話を聞いたからです。ラジオだから当然ではありますが,音を聞いているだけで情報が完結するというのは,移動し“ながら”接するコンテンツとして,利用価値があるのかな?と思ったわけです。

 ワンセグのテレビ番組を電車の中で“音だけ”聞いているという友人がいます。彼に言わせると,どうしても音だけでは分からないと,おもむろに携帯電話を取り出してテレビ映像も見るとのこと。デジタルラジオならばその必要はありません。さらにデータ放送や簡易動画を併せて活用すれば,音だけで完結したラジオのコンテンツにさらに情報や楽しみを付け加えられます。

 まだデジタルラジオを受信できる端末は,KDDIのau携帯電話に3機種あるだけです。とは言え,今後は対応機種も増えるでしょうし,購入した携帯電話にデジタルラジオ受信機能が付いていた,といったことも増えてくるでしょう。そんなときのために,「デジタルラジオ」というサービスのことを,記憶の底にとどめておいてください。便利なツールとして使える日が近いかもしれませんから。