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 携帯電話のアドレス帳を見ながら、固定電話機をダイヤルして電話をかけているシーンを見かけることがありませんか。筆者自身もこのような使い方をすることがあります。携帯電話でそのまま電話をかければ簡単なのですが、やはり通話料が気になります。話が長引きそうな場合など、携帯電話は単なるアドレス帳となります。ならば、携帯電話のアドレス帳を使って、簡単に固定電話で発信できるようにできないのでしょうか。

 まず挙げられるのが3G/無線LANデュアル端末です。社内や家庭では、携帯電話のアドレス帳から相手を選択、発信すれば、無線LANを経由して固定電話回線を使って電話をかけられます。“スマート”な方法ですが、原則、個人で入手、利用できませんし、たとえ入手可能だとしても端末の種類が少ないし高価です。それに、端末の重量やバッテリの持ちを考えると、固定電話を直接ダイヤルすればいいという判断になるでしょう。

 次に、浮かんだのが「トーン・ダイヤラー」の利用です。トーン・ダイヤラーは、氏名と電話番号などを記録できる簡易アドレス帳に、プッシュ回線の電話でダイヤル情報を送る「ピッポッパッ」という音を発生する機能を加えた機器です。このピッポッパッは、DTMF(Dual Tone Multi Frequency)信号というもので、DTMFダイヤラーなどとも呼ばれています。

 トーン・ダイヤラーは十数年前に登場し、腕時計型が発売されるなど、ちょっとしたブームになったのですが、使い勝手がいいとはお世辞にもいえないものでした。名前はアルファベットかカタカナくらいしか表示できないし、電話番号などを一つひとつ手入力しなければならず、そのデータをほかに転用できるわけではありません。このため、ほとんど姿を消していきました。それが、引き出しの奥に眠っていました(写真1)。

写真1●カシオ製のトーン・ダイヤラー
写真1●カシオ計算機製のトーン・ダイヤラー
背面(写真下)にはスピーカーが付いている。電卓機能がついているものの、名前/電話番号は20件までしか登録できない。

 これをプッシュ回線につながる電話機の受話器を取り、送話部にトーン・ダイヤラーのスピーカーをつけて、ピッポッパッというトーン信号の音を出せば電話がかかります。電話機の代わりに、ダイヤラーがダイヤル信号を発信ということです。公衆電話で使えるため、外出時に便利でした。

 トーン・ダイヤラーという機器はほとんど姿を消しましたが、この機能を実現するソフトウエアはあります。パソコンやPDA/スマートフォンのうえで動作するトーン・ダイヤラー・ソフトです。PalmOSやWindows Mobile向けのソフトがフリーウエアまたはシェアウエアとして提供されています。

 一般的な携帯電話機でもトーン・ダイヤラー・ソフトを搭載するだけで使えるようになります。しかし、弱点がありました。プッシュ回線以外では使えないので、企業のデジタル電話機やIP電話機ではあきらめるとしても、コードレス電話で使えないのです。IP電話を利用していれば、既存の電話機を接続するルーターは、ダイヤル方式をトーン/パルスを選べるようになっています。このため、家庭では、トーン・ダイヤラーを使いやすい環境になっていくと思っていたのですが。

 携帯電話のアドレス帳を使って、簡単に固定電話で発信できるようにする方法はないものでしょうか。