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 Webアクセシビリティという言葉をご存じでしょうか。障害者や高齢者を含め,誰に対してもWebサイトで提供されている情報が伝わり,誰もが提供されている機能やサービスを容易に利用できることを意味します。自治体,公的機関,企業などが公共性の高いWebサイトを公開する場合,Webアクセシビリティを確保することは今や不可欠です。

 個人のサイトであればWebアクセシビリティの確保は不可欠とは言えないかもしれません。しかし,より多くの人に見てもらえるようにするには,Webアクセシビリティを確保するに越したことはありません。そこで今回,筆者が個人的に作成・運営しているWebサイトについて,Webアクセシビリティを向上させるべくチェックをした結果をお知らせします。Webアクセシビリティをご存じの人にとっては当たり前のことばかりですが,これまであまり知らなかった人が考えてみるきっかけになれば幸いです。

 筆者のサイトは,文章をメインにして,画像や音楽を掲載している,普通の趣味系サイトです。マウスクリックで画像を入れ替えたり,ブロック領域を表示・非表示させるのにJavaScriptを使っています。Flashは使っていません。また,ページの作成やメンテナンスには,ホームページ作成ツールは使わずに,テキスト・エディタを使ってHTMLやCSSを入力・修正しています。

 今回,サイトのアクセシビリティをチェックするのには,「ウェブヘルパー」というツールを使いました。これは総務省が,「高齢者,障害者等が利用しやすいホームページの普及に向けた支援システムの実証実験」(ウェブアクセシビリティ実証実験)で開発し,無償で公開しているツールです。実際にチェックするに当たっては,アライド・ブレインズが運営するサイト「A.A.O.(Allied-Brains Accessibility Online)」で公開されている「ウェブヘルパーASP版」を使いました。

 ウェブヘルパーASP版では,アクセシビリティのチェック・レベルを,「A」「ダブルA」「トリプルA」に分けています。「A」は「満たさなければならないレベル」,「ダブルA」は「満たすべきレベル」,「トリプルA」は「満たすべきことが望まれるレベル」です。

 トップページに対してチェックしたところ,「A」レベルにおいて,早速,要確認事項が四つ,エラー(必ず修正しなければならない点)が5カ所指摘されました。エラーとして指摘されたのは,「画像の代わりとなるテキストが用意されていない」ということ。このままでは,「読み上げツールを使用している場合」「点字ディスプレイなど,内容を点字で表現する装置を使用している場合」「テキストしか表示できないブラウザを使用している場合」などに,画像が表している情報にアクセスできないというわけです。修正方法は,「<img>タグの属性としてalt="~"の形式で画像の内容を簡潔にわかりやすく説明する代替テキストを記述すること」です。

 要確認事項として挙がったのは,

・「意味の違いが色の違いだけで区別されていないか」
・「スタイルシートが適用されない状態でも内容が伝わる構造になっているか」
・「画面の点滅する機能が使用されていないか」
・「正確でわかりやすい見出しがつけられているか」


というもの。これらに対してツールが表示するガイドラインに従って確認し,必要に応じて修正していきます。

 データ量の少ないページなので,1時間ほどの作業で,自己判定でなんとか「A」レベルをクリア。修正したページを改めて自分で見直してみると,見出しを再考したことで,以前よりもわかりやすくなったような気がします。また,HTMLの構造を見直すことで,今後のメンテナンス作業が,少しラクになりそうです。

 引き続き,「ダブルA」レベル(満たすべきレベル)でチェックしてみました。ここでエラーとして指摘されたのは,

・「サイズや位置が,固定の単位(絶対単位)で指定されています」
・「新しいウィンドウが開くように指定されています」
・「リンクを示すテキスト(リンクテキスト名)が明確になっていません」


などです。さらに「トリプルA」レベル(満たすべきことが望まれるレベル)では

・「文書内で基本として使用されている言語(日本語や英語など)が指定されていません」
・「ショートカットキーが用意されていません」


などが指摘されました。これらについては,すぐにできそうな事項だけ対応して,残りは次回リニューアルの課題とすることにします。

 アクセシビリティをチェックするツールとしては「ウェブヘルパー」のほかにも,富士通が無償ダウンロード提供している「Fujitsu Accessibility Assistance」などがあります。個人でWebサイトを持っている人は,アクセシビリティについて,一度チェックしてみてはいかがでしょうか。障害者や高齢者に対してだけでなく,誰に対してもわかりやすく,使いやすいサイトにするためのヒントになるかもしれません。