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図 マルチキャストに対応していないIPネットワークでマルチキャストを使えるようにする「Flexcast」
図 マルチキャストに対応していないIPネットワークでマルチキャストを使えるようにする「Flexcast」
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 Flexcast(フレックスキャスト)とは,マルチキャストに対応していないIPネットワーク上でマルチキャストを実現するトンネリング技術である。もともとは,NTTの未来ねっと研究所が中心になって開発していた技術。それをNTTアドバステクノロジが「LiveSpark」として製品化し,販売を始めている。

 IPマルチキャストは,同じコンテンツを複数のユーザーに同時に送り届ける用途に向く技術だが,IPネットワークを構成するすべてのルーターがマルチキャストに対応していないと利用できない。現実的には,マルチキャストが使えないIPネットワークは珍しくない。

 Flexcastは,マルチキャストに対応していないIPネットワークでマルチキャスト通信を実現するために,ユニキャストでやりとりするパケットにマルチキャスト・パケットをカプセル化して送るようにした(図の1)。カプセル化の処理は,「ゲートウエイ」と呼ぶ装置が担当する。ゲートウエイは,マルチキャスト・プロトコルが使えない区間を挟む形でネットワークの中に置いてもよいし,マルチキャスト・パケットを送受信するパソコンやサーバーにインストールしてもよい。

 サーバー側のゲートウエイは,クライアント側のゲートウエイから送られてくるマルチキャスト受信要求パケットを見て,転送先のゲートウエイを決める。受信要求が送られてこなければ転送しない。

 Flexcastでは,マルチキャストに対応していないネットワークの中に「スプリッタ」と呼ぶ装置を置き,複数のあて先にパケットをコピーして送り出す(同2)。スプリッタは,クライアント側からサーバー側に送られる受信要求を待ち受けて,受信要求が通過しようとすると,送信元アドレスを自分のアドレスに書き換えてからサーバーに転送する。こうしてサーバーからのマルチキャスト・パケットが自分に届くようにする。

 スプリッタは,別のゲートウエイから同じ配信サーバーに対する受信要求を受け取ると,今度は受信要求を転送しない。そして配信サーバーから受け取ったマルチキャスト・パケットを複製して,受信要求を送ってきたすべてのゲートウエイに転送する。こうして,ユニキャストしか使えないネットワークで帯域の無駄遣いを防ぐ。

 なお,NTTアドバステクノロジが販売するLiveSparkで提供されているスプリッタは,ルーターとは別のパソコンで稼働する。このため,ルーターには,特定のTCPポートあてのパケットをスプリッタに転送するといった設定をしておく必要がある。こうすることで,受信要求がスプリッタに届くようになる。