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 最近のグーグルに関連するニュースの増え方が尋常ではないのをお気づきの読者もいらっしゃるだろう。ITproでも,何らかの形でグーグルに触れた記事を見ない日がないほど増えている。

 「Google,ゲーム内広告のAdscapeを買収」(3月20日),「Google,検索ログを匿名化するプライバシ保護策を発表」(3月16日),「『Google Talk』がWebページから利用可能に」(3月16日),「イノシス,社内のGoogle検索アプライアンスを携帯で利用可能にするシステムを4月発売」(3月15日),「はてな米国子会社,前Googleのマネージャーが取締役に就任」(3月15日)。直近の1週間をとっても,これだけある。今年3月に入ってからだと,「グーグル」または「Google」という言葉をタイトルに含むITproの記事やコラムは計19本(3/20日現在)もある。

 グーグルが発信するニュースの幅は,上記の内容をはるかに超えて多岐にわたるようになった。電子メール,ワープロ,表計算などネット経由で無料で利用できる各種のサービス。ここには,GoogleマップのようなWebサービスAPIの提供を含めてもよいだろう。それから動画投稿サイトYouTubeの買収でにわかに注目が集まり始めた著作権関連の問題。検索広告の表示と相まって語られることもある個人情報収集のあり方なども,議論の的になっている。

 当初,我々はグーグルをWeb検索サイトとしてとらえてきた。今でも同社の基本方針は「世界にあるすべての情報を秩序立てる」である。株式時価総額が1390億ドルを超そうと全世界の社員数が1万人を超えようと,さまざまな新サービスを提供するようになっても,この方針に変化はない。少なくとも現時点ではそうだ。

 「Web進化論」を執筆した梅田望夫氏は2006年,ITproのインタビューに答えて,「Googleとは何なのか,ここ数年,ずっと考えてきました。その意味を理解することが,次の10年の行く先を占う上でのメインテーマだと認識していたからです」と話している(関連記事:「『ウェブ進化論』の梅田望夫氏が語る“Googleという隕石”(前編)」,「『ウェブ進化論』の梅田望夫氏が語る“Googleという隕石”(後編)」)。後日,記者も梅田氏にインタビューする機会があったが,その席でも梅田氏はグーグルのインパクトについて強調していた。

 グーグルが提供する無料サービスや,著作権,個人情報を巡る問題は,ネットが既存の社会に迫る変革の象徴ととらえることも可能だ。果たして「世界にあるすべての情報を秩序立てる」という言葉や検索サイトという理解で,どこまでグーグルが世界にもたらす影響について考えることができるのだろうか。

 しばらく前から記者はこの問題について考えるようになった。なかなかこの問題に答えるのは簡単ではない。そんな中,偶然だが今年2月から,ITpro内の「SaaS & Enterprise2.0」というテーマ・サイトの編集を任されることになったので,問題を考えるため第一歩として「改革者 Googleを追う」という欄を用意した。

 ここでは日々,ITproに掲載されるグーグル関連記事を一覧できるようにした。この欄にはニュース記事だけでなく,ITproの連載陣によるコラムなども掲載される。これまで点としてしか理解できなかったグーグルの動きを,少しでも線として理解できればと考えたのだ。それなりに便利なものになったと思うのだが,やはり隔靴掻痒(かっかそうよう)な感が残る。

 最近,SaaS & Enterprise2.0サイトに関連して,海外で働く,あるいは海外に訪れることの多いIT企業のトップや幹部と話す機会が増えた。こうした人物の口から漏れるグーグル像は,上記のニュースから受ける印象とも少し異なる。

 果たして,グーグルは世界をどう変えようとしているのか。まだまだ理解できない。どうにかしてその本質に迫ってみたい,というのが,記者の最近のつぶやきである。しゃれている場合でなく,こう考えている。