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 無線ICタグから読み取ったデータを異なる企業間や社内の部門間で共有して業務の効率化や精度向上を図る――。そうした仕組みを実現するための「EPCグローバルネットワーク」の標準規格が、ようやく2007年4~5月ごろにも出そろう。ICタグの読み取りにより発生する業務イベントを格納し、検索できるようにするEPCインフォメーションサービス(EPCIS)に関するインタフェースが固まる。

 EPCISは、ある製品の製造時期や入出荷時期、消費期限といった情報を格納するデータベースである。それを基にトレーサビリティシステムを構築したり、取引先が製品の属性情報を問い合わせたりできる。

 EPCグローバルはEPCISのような標準規格を承認する前に、ベンダーがプロトタイプを使って相互接続試験を行い、規格に問題がないかどうかを検証することを求めている。EPCISに関しては2006年7月に、米IBMやNEC、インターネットイニシアティブ(IIJ)など8社がソフトウエアを持ち寄って試験した。相互接続では、「50種類ほど問題が出てきたが、どれも例外処理の解釈など細かいものばかりだった」(NEC知的資産R&Dユニットソリューション開発研究本部ユビキタス基盤開発本部主任の多賀戸裕樹氏)という。そこで出てきた修正点は規格に反映済みであり、現在は最終承認に向けて作業を進めている段階である。

業務イベントデータの管理と検索が可能に

 こうして4~5月ごろにも固まるEPCグローバルネットワークの標準規格について、その全体像を整理してみよう。ICタグのデータをリーダーで読み取ってから、そのイベントがEPCISに格納されるまでを順に追っていく。

 まずリーダーがICタグを読む際に用いる標準規格は、UHF帯の「Gen 2」などに代表されるエアーインタフェースである。そして、リーダーと「RFIDミドルウエア」と呼ぶソフトウエアをつなぐのが「リーダープロトコル」になる(図1)。

図1 EPCグローバルネットワークのアーキテクチャ 【クリックすると拡大表示】

 RFIDミドルウエアの役割は以下の通り。リーダーは、例えば荷物がゲートを通過した際には、何度も同じICタグを読み取ることがある。業務アプリケーションから見れば、同じICタグを何度も読み取ったことには意味がない。そのICタグがそのゲート型リーダーを通過したということだけを知りたい。このように余分な読み取りデータをフィルタリングして整形するのが「フィルタリング&コレクション」、通称「RFIDミドルウエア」である。

 このRFIDミドルウエアが読み取ったデータを上位アプリケーションに渡すための規格が、「ALE」(アプリケーション・レベル・イベント)である。リーダープロトコルで「時刻TにリーダーAがICタグBを読んだ」という情報が上がれば、ALEではそうしたデータが集約されて「時刻T1~T2にリーダーAがICタグBを読んだ」といった情報が送信される。