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Bruce Schneier Counterpane Internet Security
「CRYPTO-GRAM March 15, 2007」より

 まったく一笑に付す程度の話だ,そんな風に思わせる記事があった。「バンクーバー市が2010年の冬季オリンピックで市全域を対象とした無線インターネット・システムを計画しているのに対し,バンクーバー警察コンピュータ犯罪調査官のMark Fenton氏は,同市がテロリストの攻撃に晒される可能性があると警告した」というのだ。

 要するに,テロリストがバンクーバー冬季オリンピックに出向き,その場で無線インターネットを利用する可能性が問題のようなのだ。「『オープンな無線システムが市全体に設けられた場合,例えば私がノート・パソコンを持ってバスに座り,国際的な犯罪に手を染めることも可能だ』とFenton氏は説明する。『このような状況では,犯罪者を見つけ出すことはほぼ不可能だろう』」

 さらに,「Supervisory Control and Data Acquisition(SCADA)」システムや,同市が一部の行政サービスをインターネット上に置くことについての恐怖も記されている。明らかに,Fenton氏はリスクについて,全く無意味に思いを巡らせている。同氏はサイバーテロを過大評価しており,無線インターネット・アクセスという特別な方法がどれだけ重要であるか,2010年の冬季オリンピックがどれだけ重要であるか,大げさに考えすぎている。

 とはいえ,この新聞は,彼の考えに進んで同調し,サイバーテロへの恐怖を広めている。記事で掲載されている写真のキャプションはこうだ。「ノート・パソコンで無線アクセスを利用できる人なら誰でもテロ行為に走る可能性がある,と警察は警告している」

http://www.canada.com/topics/news/national/...
サイバーテロに関する過去記事:http://www.schneier.com/crypto-gram-0306.html#1

Copyright (c) 2007 by Bruce Schneier.


◆オリジナル記事「Movie Plot Threat in Vancouver」
「CRYPTO-GRAM March 15, 2007」
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◆この記事は,Bruce Schneier氏の許可を得て,同氏が執筆および発行するフリーのニュース・レター「CRYPTO-GRAM」の記事を抜粋して日本語化したものです。
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◆Bruce Schneier氏は米Counterpane Internet Securityの創業者およびCTO(最高技術責任者)です。Counterpane Internet Securityはセキュリティ監視の専業ベンダーであり,2006年10月に英BTの傘下に入りました。国内ではインテックと提携し,監視サービス「EINS/MSS+」を提供しています。