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夢のないPMが多い。「技術者として生きていく道を選んだ以上, 大きな社会的成功は望めない」,「人並みに生活できれば上等」――。そんな前時代的な考えは捨てて,さあ,「勝ち組PM」になろう。

奥井 規晶 インターフュージョンコンサルティング 代表取締役

 これまで5回にわたり,日本的なプロジェクトマネジメントのあるべき姿や,プロジェクトを成功させるためにマネジャーが備えるべき「人間力」について探ってきた。赤字プロジェクトを撲滅するため,40代後半の「くたびれPM(プロジェクト・マネジャー)」を蘇生させる秘策も提言した。

 最終回である今回は,PM自身が人生の“勝ち組”になるために必要な人間力について述べて,連載を締めくくりたい。

スーパーPMが続々登場

 さて,PMとしての成功とは,何だろう。「マネジメント力で,会社になくてはならない存在になること」,「独立しても生きていけるほどの存在になること」。どちらも正解だ。しかし,筆者はもっと具体的な言葉で表現したい。ずばり,「年収2000万円」である(図1)。

図1●PM成功への道
図1●PM成功への道
様々な障害を乗り越えて,“勝ち組”を目指そう

 もちろん,「人生は『金』がすべてだ」と言うつもりは毛頭ない。とはいえ,収入は多いに越したことはない。家族を抱える身であれば,なおさらである。

 21世紀に入り,日本では所得の二極化が進んでいる。一方では,若き「IT長者」がいる。その一方で,フリーターやニートと呼ばれる若者が激増し,新刊書のタイトルや雑誌の見出しに「年収300万円時代」という文字が躍る。どちらが勝ち組かは自明だろう。

 では,なぜ2000万円か。筆者の経験では,生活レベルががらりと変わるのは,年収が2000万円を超えるころからである。日本の税制では,収入とともに税率も一緒に上がる。このため,年収2000万円以下では手取り収入が劇的に増加することはない。せいぜい,身の回りの品物1つひとつが少しずつ高価になる程度で,豊かさを今ひとつ体感できない。

 ところが,年収2000万円レベルになると,本当のぜいたくを味わえる。海外旅行に毎シーズン行けるし,食事に出かける店のランクも上がる。子供を私立の名門校に通わせることもできるし,車の買い替えにちゅうちょしなくなる。

 「この日本に,年収2000万円のPMなどいるはずがない」と思うかもしれない。確かに,ITエンジニアの年収は500万円以下のケースが多い。しかし,状況は変わりつつある。

 成果主義を導入しているベンダー企業では,2000万円どころか3000万円以上の年俸を誇る「スーパーPM」が出始めた。経営者の立場から言わせてもらえば,優秀なPMならばそのくらい払っても一向に構わない。それだけ会社へ貢献してくれているのだし,もしライバル企業にでも移られては大損害だからだ。

67%稼働で年収2000万円

 年収2000万円を実現するには,スーパーPMになるほか,独立して起業するという手もある。本当に優秀なPMならば,会社の看板を外しても,顧客は喜んで仕事を依頼してくれるはずだ。というのは,顧客がPM1人に対して支払う人月単価には,PMが属する会社の利益が上乗せされている。独立すれば,それを差し引いた価格で受注できる。

図2●成功するための3要素
図2●成功するための3要素
「ポジティブさ」,「自立心」といった人間力を持つこと。身近な成功者を手本にできれば,ゴールはさらに近付く

 例えば,人月単価が300万円だったPMが独立し,月額250万円でプロジェクトを引き受けるとすれば,顧客にとっては1カ月50万円のコスト削減になる。PMにとってみれば,これは月収250万円ということである。仕事がコンスタントに入れば,年収は単純計算で3000万円に達する。67%の稼働率でも,2000万円である。さらに,何人かの仲間と組んで会社を大きくし,見事に上場すれば,IT長者の仲間入りだ。

 ただし,言うまでもないことだが,いずれの場合でも成功するまでの道のりは平坦ではない。

 会社の中でスーパーPMを目指すには,同僚との厳しい競争に勝たねばならない。使えない上司に振り回されることもあるだろう。さらに,ポジションが上がればそれだけ,複雑な社内政治に巻き込まれやすくなり,人間関係にわずらわされる。

 独立しても,成功するとは限らない。独立するには技術力だけではなく,営業力や経営判断力が必要になる。資金繰りや煩雑な事務手続きといった,ベンダー企業のPMが経験しないような分野に関する知識が必要になる。実際,一度は独立はしたものの,失敗してサラリーマンに戻ったPMはたくさんいる。

 だが,恐れることはない。以下で紹介する「成功するための3要素」を持っていれば,こうした壁は乗り越えられる(図2)。多くの先人が,そうした難局を乗り切って2000万円プレーヤーに上り詰めた。あなたにできないはずはない。