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 Asterisk(アスタリスク)というソフトウエアをご存知だろうか。一言で言えば,オープンソースのIP-PBXソフトである(関連Q&A)。PBXとは企業の内線通話や転送・保留といった機能を実現するための装置のことで,関係者や筆者のような専門誌の記者以外,正直どこのメーカー製だろうがあまり気にならないだろう。とはいえAsteriskの登場は多少なりともこうした業界に衝撃を与えた。これまでPBXは専用システムであり,例えばA社のPBXの機能はB社の電話機では使えないといった“囲い込み”が当たり前の世界に,Asteriskは無償でソースコードを公開するオープンソースのソフトとして登場したからだ。

 メーカー製の電話システムは,IP電話が普及しても囲い込みの状況はあまり変わらなかった。SIP(session initiation protocol)と呼ぶ標準的な呼制御プロトコルを使っていたとしても,これまでメーカーが培ってきた特別な電話機能を実装するため,SIP自体を拡張するなどして,メーカー間の相互接続性などは二の次にされていた。無論,こうしたこと自体はよくあることで,電話がきっちり使えて業務が滞らなければユーザーにとって問題はない。

 Asteriskはこうした“閉じた”電話の世界に反旗を翻しているのかといえば,実はそれほど大上段に構えてはいない。ワイルド・カードである“*”を名前としたように,どんなものとでもつなげていこうとするスタンスからは,むしろ既存の環境と協調していく印象すら受ける。2006年初頭,Asteriskの開発者であるマーク・スペンサー氏(米ディジウムの創業者であり,現在は最高技術責任者)にインタビューしたことがある。その際,氏はAsteriskについて「最初は何か一つの機能を使うだけでいい。それが次第に広がっていく。これがAsteriskのパワーだ」と述べている。

 こんな気軽な取り組み方が,多くの企業を引きつけ始めているようだ。ベンチャー企業だけでなく,NTTデータ(関連記事)やNTTソフトウェア(関連記事)といった大企業からも,自社ソリューションや自社製品にAsteriskを取り込む動きが出始めている(関連記事)。

 ほかにも,「最初は何か一つの機能を使うだけでいい」と言うマーク・スペンサー氏の言葉をそのまま具現化した事例が出て来ている。例えばWebサイトの開発者などと無縁ではないのが「クリック・ツー・コール」という機能。Webサイト上のバナーなどをユーザーがクリックすると,IP電話の問い合わせ用画面が立ち上がり,無料で問い合わせができるようになる仕組みをリンクなどが提供している(関連記事)。この仕組みの裏側で使われているのがAsteriskだ(関連記事1関連記事2)。Asteriskによって音声アプリケーションが身近になった好例だろう。

 5月8日,米ディジウムのパートナー企業であるNTTソフトウェアがマーク・スペンサー氏を招いたセミナーを開催する(関連URL)。日経コミュニケーションではマーク・スペンサー氏来日の機会を借りて,その前日にインタビューを実施する。その様子は誌面だけでなく,ITProの特設サイト「Asteriskがけん引 オープンソーステレフォニー」でも紹介する予定だ。

そこで,読者の皆さんにお願いがある。ぜひマーク・スペンサー氏にAsteriskについて「こんなことを聞きたい」という質問があったら,下記記入欄に書いて送ってほしい。現在,特設サイト内にAsteriskに関するQ&Aコーナーを設けているが,初級者向け。マーク・スペンサー氏はAsteriskを開発した正真正銘の技術者なので,技術的な方向性を問うような質問なども大歓迎だ。インタビュー時間は限られるものの,できるだけ多くの質問をぶつけたいと考えている。氏の回答は特設サイト「Asteriskがけん引 オープンソーステレフォニー」で報告する。

マーク・スペンサー氏への質問