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 コマツグループの物流会社であるコマツ物流は、無線ICタグを使った専用パレット管理システムを稼働させ、2007年1月に運用を開始した。建設機械部品を運搬する専用パレットは高額な資産でありながら、これまでは個々の所在を把握できず、長期間滞留したり紛失したりしていた。今回、日英間の部品輸送に使うパレットにICタグを取り付けて、輸送経路を追跡することで、滞留や紛失を防ぐ。

 今回ICタグを適用した専用パレットは新規に製作したもので、輸送する部品の形状に合わせて11種類ある(写真1)。合計3000個あるパレットの平均単価は約5万円。合計1億5000万円もの価値がある資産を、これまでは適切に管理することが難しかった。

写真1 専用パレットとそれを管理するためのICタグ

 パレット滞留の状況を具体的に把握するためコマツ物流は、日中間の輸送に使っているある専用パレットの回転率を調べた(表1)。711個のパレットのうち、3カ月を超えて滞留しているものが全体の10%を超えていた。そのうち7カ月を超えるものが3%があり、「これは現実には紛失したと見られる」(コマツ物流経営企画室システムグループ主任の花房和浩氏)。これらのパレットが実際に、どれくらいの期間どこで滞留して、どこで紛失したのは分からなかった。

表1 日中間で利用中のある専用パレットが1回転する期間

 追跡管理をバーコードで行うのは、困難と分かっていた。大型の専用パレットは、ほとんど屋外で保管される。コンテナ船に載って、高温多湿な海上も移動する。バーコードは汚れて読みにくくなったり、太陽光などで消えてしまったりする恐れがあった。

 こうした状況からコマツ物流は、「2004年からICタグを適用できないか検討を始めていた」(花房氏)。しかし、一からシステムを開発するのではコストがかかり過ぎる。いくつかのベンダーに、パッケージソフトウエアを利用できないか打診していた。結果として、凸版印刷がニーズに合ったパッケージソフトを開発し、それを利用することになった。凸版印刷が2006年9月に発売した循環容器管理システム「NETLOOPASS」である。



本記事は日経RFIDテクノロジ2007年1月号の記事を基に再編集したものです。コメントを掲載している方の所属や肩書きは掲載当時のものです