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 「前回はイタリアンだったから,今回は和食か中華にしようか」,「20人も入る個室なんて今から見つかるかな」・・・。

 歓送迎会や宴会などの幹事を急に任されて,場所やお店の選択に悩んだことのある読者も結構いるのではないでしょうか。しかし,今やお店探しはインターネットのグルメ・サイトを使うのが当たり前。好条件のお店を見つけるために検索の試行錯誤はするものの,そんなサイトがなかった時代の幹事からすれば,随分ぜいたくな(?)悩みなのかもしれません。

 筆者はそんなグルメ・サイトの一つ「ぐるなび」をよく利用します。そのぐるなびが今日(5月10日)から「ぐるなびWEBサービス」と銘打って,約4万の飲食店の情報を外部のWebサイトやブログなどから取得できるようにするためのAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を公開し始めました。ぐるなびが保有する膨大なデータとアプリケーションの機能を“サービス”として提供し,ぐるなび以外のサイトで店名,住所,最寄駅,平均予算など多様な情報を表示できるようにする,というわけです。

 このようにソフトウエアをサービスとして提供する,という考え方はずっと以前からありましたが,一部のASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)を除いて,いつまでもコンセプト・レベルにとどまっている,という印象が強かったのはないでしょうか。ところがここ1~2年で,このコンセプトが俄然,現実味を帯びてきました。単に「Webサービス」「SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)」「マッシュアップ」といったキーワードが定着してきたから,というだけではありません。

 何といっても大きかったのは,グーグルやアマゾン・ドット・コムといった超のつく有名ネット企業が,自社のWebサービスを利用できるようにするためのAPIを提供し始めたことです。また,セールスフォース・ドットコムのようなSaaS専業ベンダーも,ブレークの兆しを見せ始めています。

 こうしたサービスの導入事例も“本物”になってきました。最近では日本郵政公社が,今年10月に設立する郵便局株式会社にセールスフォースの顧客情報管理サービスを採用することを決定(関連記事1関連記事2)。日本大学はグーグルのGoogle AppsやGmailを使って全学の情報共有基盤を構築しました(関連記事3関連記事4)。特に後者のニュースは,グーグルの知名度と規模の大きさが目を引き,ITproでも非常に多くのアクセスを集めました。

 こうした知名度の高いネット企業やユーザーの動きに加え,個人的にも日頃からなじみのあった「ぐるなび」がWebサービスのAPIを提供し始めたことで,いよいよソフトのサービス化がシステム構築・運用の大きな潮流になると筆者は確信するようになりました。そういう実感がわいてきたのです。

 今年は企業情報システムを中核とする,いわゆるエンタープライズの分野においても,この動きから目が離せません。ITproのエンタープライズ系サイトでは,日経コンピュータ編集部が主宰する『SaaS & Enterprise』を中心に,ソフトのサービス化にかかわる情報を幅広く発信し続けるつもりです。