PR

●顧客にインパクトを与える“見映え”を重視
●日本で培った品質管理のノウハウにこだわる
●工場だからこその効率化と作り込みを両立した

 HP Factory Expressサービスを始めて間もないころ、関西のある製造業ユーザーから、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)に感謝状が届いた。ユーザーを感動させたのはサーバーラック背面の「配線の美しさ」。外資系ベンダーへの先入観を覆す、日本的ともいえる緻密な仕上がりに、同じ製造業として強く共感したのだ。

 Factory Expressは、サーバーやストレージ、ネットワーク機器などを工場で設定して出荷するサービス。東京都昭島市にある日本HPの昭島工場には、きっちりと配線されたサーバーラックが整然と並ぶ(図1)。

図1●昭島工場におけるHP Factory Expressの作業状況
図1●昭島工場におけるHP Factory Expressの作業状況

常盤勝敏氏●TSGサプライチェーン本部 ソリューション製造部 エンジニアリングマネージャー
常盤勝敏氏●TSGサプライチェーン本部 ソリューション製造部 エンジニアリングマネージャー
富田浩次氏●エンタープライズストレージEサーバ統括本部 インダストリースタンダードサーバ製品本部 ビジネスプランニング部 担当部長
富田浩次氏●エンタープライズストレージEサーバ統括本部 インダストリースタンダードサーバ製品本部 ビジネスプランニング部 担当部長

 Factory Expressサービスを日本市場に導入する際、配線の美しさには相当のこだわりがあった。常盤勝敏TSGサプライチェーン本部ソリューション製造部エンジニアリングマネージャーは、「日本のユーザーは包装用の箱まで製品の一つと考えるほど、品質へのこだわりが強い。配線の見映えも顧客にインパクトを与える重要な要素。いい加減な配線を見れば、サーバーの品質もいい加減だと思われてしまう」と話す。

 「ケーブルに余分な長さがあれば、サーバー背面を避けて側面を沿うように配線しなければならない」など、そんなこだわりが日本のユーザーの琴線に触れる。そして美しい配線は、機器の障害を極力なくし、メンテナンスのしやすさを高める非常に重要なポイントでもあった。

 Factory Expressの導入前、ユーザー企業の拠点にサーバーを納入して設定を行うサービスは、その品質にばらつきがあった。「技術者ごとに作業内容に差があり、ちゃんと接続されていれば見映えは気にしないという技術者もいた」(常盤マネージャー)。

 サーバー、特にPCサーバーはコモディティの最たるもの。配線などに、それほど厳密さを要求しないのはむしろ当然だ。だが昭島工場の考え方は違った。「Factory Expressでは、工場の経験と知識に、匠の技も含めて標準化した。当社は外資系だが、工場における日本的な品質管理には長年取り組んできた。Factory Expressのケーブリングは、日本で蓄積した品質へのこだわりが生きている」(常盤マネージャー)。

 フィールドの技術者からも注意すべきポイントを集約し、標準プロセスを作り込んだ。「テンションがかからないようにケーブルを引き回す」「メンテナンス時に電源ケーブルを外さないとサーバーを引き出せないような配線にしない」などだ。


パートナーのビジネスを支援

 Factory Expressでのこだわりは、ケーブリングだけではない。設定や動作検証にも日本的な品質管理を導入。技術者への教育も徹底した。工場で作業を実施することで、製品の発注ミスや部品の初期不良などのリスクも排除できる。高品質と低コストを両立し、従来のオンサイトでのサービスに比べてコストが半分以下になるほどの成果を納めた。

 ユーザー企業が感謝状を送ったのも、こうしたサービス品質やコスト、納期厳守などを評価したもの。配線の美しさは、これらのサービス品質へのこだわりを象徴するものだったのだ。

 Factry Expressは2005年7月スタートで、現在は同社のPCサーバー「ProLiant」の出荷台数の10%近く、ブレードサーバーでは約30%が、Factory Expressを利用して出荷される。

 日本HPにとっては、販売パートナーであるソリューションプロバイダのビジネスを支援する狙いも大きい。富田浩次インダストリースタンダードサーバ製品本部ビジネスプランニング部担当部長は、「ハードの設定作業などを自社の付加価値と考えないパートナーは、Factory Expressを活用することで、得意分野の業務アプリケーション領域などに注力してもらいたい」と話す(図2)。

図2●販売パートナーは、自社サービスと日本HPのFactory Expressサービスを組み合わせてユーザーに提供できる
図2●販売パートナーは、自社サービスと日本HPのFactory Expressサービスを組み合わせてユーザーに提供できる

 米HPは現在、グローバルなFactory Expressの標準プロセスを整備中。日本HPもこのプロジェクトに参画している。常盤マネージャーは「日本の品質へのこだわりは、他の国に負けない。我々の作った標準をグローバル標準にするつもりで取り組んでいる」と話す。