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 4月から新しい年度が始まった。なんとなく慌しく時間が過ぎていく。すでに月半ばを過ぎたことに気づきハッとする。「年度計画の初めの月からこんな状態では先が思いやられる」。このように思われている方は案外多いのではないだろうか。そこで今回は、タイムマネジメントに関するピーター・ドラッカー氏の至言を紹介したい。

 通常、仕事に関する助言というと、計画することから始めなさい、というものが多い。まことにもっともらしい。だが、問題は、それではうまくいかないことにある。計画は紙の上には残って入るが、やるつもりのまま終わる。実際に行われることは稀である。
 私の観察によれば、成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする。計画からもスタートしない。何に時間がとられているかを明らかにすることからスタートする。(中略)成果をあげる者は時間こそが、真に普遍的な制約条件であることを知っている。

 『プロフェッショナルの条件』(上田惇生訳、ダイヤモンド社)の「Part3自らをマネジメントする 3章 時間を管理する」の冒頭部分からの引用である。現在、巷ではタイムマネジメントが流行しているようであるが、ドラッカー氏によれば、タイムマネジメントの本質は、「時間こそが、真に普遍的な制約条件である」ことに尽きる。
 この本質を心に留めて行動しているひとが成果を出せる。ドラッカー氏はそう観察した。ドラッカー氏の関心は常に「ひと」にあった。ずっと「ひと」を観てきた。それゆえ同氏の着眼点は、機械論的な生産管理の流れからくるタイムマネジメントとは本質的に異なる。
 期限までに所定の目標を達成するためのプロジェクト活動はどうだろう。当たり前であるが、プロジェクトもまた「ひと」により遂行されるものだ。しがたって、プロジェクトのタイムマネジメントにおいても、ドラッカー氏の本質論が適用されるべきである。
 つまり、「スケジュール(計画)を作ることから始めてはいけない」ということだ。時間が制約であることをもっと意識しなければならない。プロジェクトはそもそも期限の定めがある仕事であるので、時間についてシビアに考えそうなものであるが、意外にそうではないことが多い。それは納期を守れないプロジェクトが後を絶たないことによって証明されている。ドラッカー氏の指摘通り、スケジュール(計画)は「やるつもりのまま終わる」ということになってしまう。