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 米Newsによる米Dow Jonesへの買収提案(関連記事),英Reutersとカナダ金融情報大手Thomsonの合併協議(関連記事)など,ここのところ欧米のメディア業界で再編に向けた動きが活発化している。

 Rupert Murdoch氏率いるNewsはDow Jonesを買収することで,年内に立ち上げる経済専門チャンネル「Fox Business Channel」に,Wall Street Journalのコンテンツを取り込みたい考えだ(Forbes.comの記事)。ThomsonとReutersは,新会社の名称を「Thomson-Reuters」とするが,金融/メディア部門ではブランド力のある「Reuters」の名を使用する計画。両社の強みを合わせることで金融情報分野で米Bloombergを追い抜き,世界ナンバーワンを目指すという。

 こうした,ネット・メディア業界の再編や事業刷新の動きは,今の欧米のメディア企業全般にみられる傾向のようである。たとえば米Time Warnerは昨年4つの経済誌(「Money」「FORTUNE」「FORTUNE Small Business」「Business 2.0」)のサイトを「CNNMoney.com」に統合した。これが奏功し,ユーザー数の増大に成功したという(発表資料)。

 米The New York Timesもオンライン分野に力を入れているメディア企業である。同紙のオンライン版「NYTimes.com」では提供する記事を1851年の創刊号にまで拡大した(関連記事)。カスタマイズ・ページ「MY TIMES」やビデオ・レポートも積極的に導入するなど,コンテンツの拡充に注力している。同社は,専門情報サイトAbout.comも買収しており(関連記事),そうしたサイトをはじめとする合計35のWebサイトの今年3月の米国におけるユニーク・ユーザー数は,前年同月比12%増の4350万人に達したという。

大手メディアがこぞって導入するPluckのUGC技術

 前述のNewsもネットに積極的である。同社はMySpace.comを運営するFox Interactive Mediaを傘下に持つ。MySpace.comの成功事例を今後も推し進めていくようで,今,写真共有サイト「Photobucket」の買収協議で最終段階に入っているという。

 Reutersも昨年,米Pluckと資本/業務提携し,ソーシャル・メディア・コンテンツの取り込みを進めている(関連記事)。このPluckは,ブログ・コンテンツの配給サービス「BlogBurst」などをメディアに提供している企業だ。BlogBurstは,ニュース・コンテンツと関連性の高いブログ記事を「BlogBurst Syndication Network」と呼ぶ同社のブログ・ネットワークから抽出して,メディア・サイトに提供している。Reutersのほか,News,米The Washington Post,米USA Todayなど多くの大手メディアが採用している。

 たとえば,この3月にオンライン版「USATODAY.com」を刷新したUSA Todayの場合,このBlogBurstに加え,同じくPluckが提供する「SiteLife」を導入している。これによりユニーク・ビジター数が前月に比べ21%増の1094万人となり,登録ユーザー数もほぼ5倍に増えたという(発表資料)。

 PluckのSiteLifeはメディアのサイト内で,ユーザーが作成するコンテンツ(UGC:user-generated content)を展開できるようにするサービス/技術である。個々の登録ユーザーに専用ページを用意し,そこでブログや写真を投稿できるようにする機能や,ディスカッションの場を提供するフォーラム機能,ユーザー・プロファイルのページなどを提供する。ユーザーが個々の記事にコメントやレーティング(評価)を付けられる機能も用意している(写真1写真2)。

写真1●USATODAY.comの記事ページ   写真2●USATODAY.comのユーザー・ページ
写真1●USATODAY.comの記事ページ  記事タイトル下にコメントやレーティングを付けるボタンを用意する
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  写真2●USATODAY.comのユーザー・ページ  過去に書いたコメントを一覧表示したり,サイト内でブログ記事や写真を投稿できる。
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