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 油圧ショベルなどの建設機械を工事会社にレンタルしているBIG RENTAL(福島県郡山市)は、1997年末に福島県で74番目の建機レンタル会社として誕生した。公共事業や工事費用の削減により建機業界は強い逆風下にあるが、同社は年率100%近い伸びで成長してきた。「建 機業界の旧態依然のビジネスモデルは無駄が多い。その無駄こそ宝の山だ」と四家千佳史社長は話す。


■ 現況
売上高 157億円 (2006年3月期)
従業員数 541人 (2006年11月1日現在)
ショベル等大型機械 約6000台保有
店舗 67店舗 (福島県以外にも栃木など計5県に出店)
建機の稼動率 70~80%

四家(しけ) 千佳史社長
四家(しけ) 千佳史社長
1968年福島県生まれ。日本大学卒業後、キヤノン販売に入社。1994年に父親が経営するコマツ福島に転職、1997年にビックレンタル(現BIG RENTAL)を創業

県内最後発での参入でも成功すると思っていたのか。

 当社が成功するかどうかは分からなかったが、建設機械は販売からレンタルに大幅にシフトすると確信していた。実際、1996年に建機市場はピークを迎え、それからは下がり続けている。市場縮小と同時にレンタル価格も下がることは分かっていたが、当時は稼働率が10~15%が建機レンタル業界の常識だったので、稼働率さえ上げれば、いくらでも収益はあげられると考えていた。

建機レンタル会社すべてが成長しているわけではない。何が差異化につながったのか。

 簡単に言えば、合理化と効率化の追求だ。細かな業務プロセスに手を入れるのではなく、建機レンタルのビジネスモデルそのものを変えることがポイントだ。当社では、支店ごとに収益責任を負う部分最適を止め、支店は顧客との窓口に徹して本部が収益を管理する全体最適に組み替えた。

 この業界では、支店を独立採算性にし、それぞれを競争させることで全体の収益を上げるビジネスモデルが一般的だった。しかし、これは無駄が多い。自店の収益を優先するため、他支店から貸し出し依頼があっても拒んだり、一定期間内に必ず返却するルールを作ったりする。これでは稼働率が上がるわけがなく、損益分岐点も高くなる。レンタル価格が下がったらすぐに赤字だ。

 そこでBIG RENTALでは、支店ごとの管理をしていない。建機の購入から減価償却、顧客からの予約や配送はすべて本部で行っている。支店は各地域の窓口でしかない。だからどの支店で借りてもいいし、どこで建機を保管していてもいい。こうすることで建機の稼働率は60%から70%まで引き上げることができ、低価格でレンタルできるようになる。

ビジネスモデルを変えるのは、簡単なことではないと思うが。

 レンタル専門会社を創業し、ゼロから始めたからできた。実は、創業前に務めていた父親が経営する建機販売会社(コマツ福島)にもレンタル事業部があり、当初はそこをテコ入れする計画だった。しかし、過去の成功体験やビジネスモデルに馴染んだ社員を変えるのは難しいと判断した。また、私の場合は「2代目」という立場であり、新しいことを始めるには既存勢力の反対を押し切らなければならなかった。それならゼロから創業し、安定したところで既存事業を吸収すればよいと考えた。

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