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 実はNTTドコモとKDDIには,ほかにも法人向け割引サービスがある。関係者が“裏メニュー”と表現する,NTTドコモの「ビジネスセーバー」とKDDIの「まるごとビジネス割引」だ。一定期間の契約を前提に,企業が支払う基本料と通話・通信料を合算した月額利用額から,一定割合の金額を割り引くサービスである(図1表1)。他の割引サービスとは併用できないが,それを考慮しても割引率が大きく,初年度から割引が適用されるため,確実に支払い総額を引き下げられる。

図1●契約期間と最低支払い金額を約束することで大幅割引きを実現
図1●契約期間と最低支払い金額を約束することで大幅割引きを実現
NTTドコモとKDDIは,月額基本料と通話料・通信料の合計額に応じた割引プランを用意する。

表1●NTTドコモの「ビジネスセーバー」とKDDIの「まるごとビジネス割引」の割引率
表1●NTTドコモの「ビジネスセーバー」とKDDIの「まるごとビジネス割引」の割引率

 いずれも両社の正式な割引サービスではあるものの,裏メニューと関係者が表現するのは提供の仕方が特殊だったからだ。例えばNTTドコモはビジネスセーバーを最近まで法人向けのカタログに掲載しておらず,「代理店ではなく,NTTドコモの担当者が直接企業に紹介する位置付けのサービスだった」(関係者)という。

ビジネスセーバーは過去の利用実績がある大口ユーザー向き

 例えばビジネスセーバーの「セーバー100」の1年契約の場合,本来の支払い額が105万円なら,実際の支払い額はそこから35%引いた68万2500円となる。ただし,どんな企業でもすぐに契約できるわけではない。月次の支払い総額が一定額を超える実績が必要となる。また途中解約時の解約金も高く,最低支払い金額も契約上定められているため,ある程度長期間の利用実績がある企業が導入する割引サービスと言える。

 複数拠点の契約をまとめた結果,その合計支払い総額が一定額に達したケースなどは適している。だが,過去の利用実績がない新規契約時は,導入後にかえって割高になる可能性もある。季節変動などの利用動向を把握してから導入した方がよい。

まだまだある削減手段,相対契約は大口ユーザー限定

 紹介してきた割引サービス以外にも,実はまだ通信料金を安くする手段がある。相対契約である。相対とは携帯電話事業者が企業と個別に契約を結び,約款に書かれた以外の料金を提示すること。一般的にほかのサービスよりも割安になるため,企業にとっては相対の利用条件が気になるところだ。

 相対契約は,事業者とユーザーが秘密保持契約などを結んだ上で取り交わされるもの。当然ながら各事業者は相対の利用条件を明確にしていない。とはいえ,ある販売代理店幹部は「相対は1000回線くらいから」,別の代理店幹部は「2000回線,3000回線というビジネスになったとき相対の値段が出てくる」と指摘しており,大口のユーザーが対象の契約であることが分かる。

 相対の実態として,ある関係者は「割引率を相対で調整することはある」と述べる。つまり1000回線規模の大企業は,導入を検討している割引サービスが他社よりも数%高ければ,割引交渉ができるということだ。最近の傾向は「NTTドコモはかなりシビアだが,KDDIは思い切った値段を出してくる。ただし初期費用はある程度どの事業者でもディスカウントできる」と説明する。

 実際,ウィルコムからソフトバンクモバイルに乗り換えた尾崎商事は,「機種は選べなかったが年度末だったこともあり,20台の端末を(割賦ではなく)ゼロ円で,初期費用も無料にしてもらった」(杉本課長)と述べる。1000回線以上もの回線数が相場となると,相対料金を導入できる企業は限られるが,回線数が少なくても,事業者を乗り換える際の初期費用には割引交渉の余地はあるようだ。

第1回 企業規模で変わる“最適な”携帯電話事業者 
第2回 法人向け割引サービスの特徴――NTTドコモ,KDDI編 
第3回 法人向け割引サービスの特徴――ソフトバンクモバイル,ウィルコム編 
第4回 月次の支払い総額次第でさらなる大口割引のチャンス 
第5回 販売代理店のASPサービスで管理コストと料金を下げる