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四、今日もまた リコール隠す 背が悲し

 けっして悪気はないのですが、つい隠してしまう。経営者が好まないし、現場が経営者に伝えたくない。こうしたマイナス情報の典型として、クレームや製品の不具合からくるリコール関連情報があります。
 品質問題を起こしたあるガス器具メーカーに関する新聞記事を読んでいましたら、20数年前に、応急修理の文書配布と部品交換をしたが徹底されなかった、ということが書かれていました。その文書が手書きであった、トラブルの多発で部品調達が間に合わなかった、ことが徹底されなかった理由のようです。
 これが現在であったら、ITを使って、すぐに全社員で文書情報を共有するとともに、販売店や工事協力会社の技術者にまで伝達できたでしょう。工事終了時にデジタル写真を撮影し、それを報告書とともに送付する、という手順にすれば、事後であっても、不正な工事結果に対して、再修理を命じ、安全を確保することが可能です。
 利用できるIT環境が整っているにも関わらず、それを使わず、「リコール隠す」ようでは、「背が悲し」む社員を増やすことになります。
 経営トップと事業部門の担当役員は、クレーム情報やリコール情報の管理にITをもっと使うべきです。


(文・森岡 謙仁=経営・情報システムアドバイザー、
アーステミア有限会社代表取締役社長)