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フリー・エンジニア
高橋隆雄 フリー・エンジニア
高橋隆雄

 2006年末に登場し,3月にマイナー・バージョンアップしたAsterisk 1.4(機能紹介の記事)。ここのところ機能の解説や動向記事が多かったため,これから2回にわたってAsterisk 1.4のインストールと設定手順を紹介しよう。今回はその前半部としてAsteriskを構成するモジュールの一つであるZaptelのインストールを詳しく解説する。

 ここのところAsterisk関連の大きなニュースが続いた。本特集サイトでも既報のように,NTTソフトウェアが米ディジウムとパートナー契約を結んだことにより(関連記事),同社CTOでAsteriskの開発者であるマーク・スペンサー氏がNTTソフトウェアの招待で初来日した(関連記事)。NTTソフトウェアのイベントは,同社が採用したAsterisk Business Edition(関連記事)の話が中心だったが,プレゼンテーションの中でマーク・スペンサー氏はオープンソースとしてのAsteriskのメリットを強調していた。やはりAsteriskはオープンソースありき,なのである。

 もうひとつ国内の動きとして,「日本Asteriskユーザ会」(Japan Asterisk Users Group,J*UGと略す)が5月17日に設立された。詳しくは筆者のWiki(http://voip-info.jp/)を参照していただきたい。

どのLinuxにインストールするか

 AsteriskはLinuxのディストリビューションであれば,大抵は動作する。筆者は「どのディストリビューションにインストールすればいいですか」?と聞かれることも少なくない。あくまでも筆者の私見だが,新規にOSをインストールし,その上でAsteriskを動作させるのであれば,筆者はCentOS(Community ENTerprise Operating System,http://www.centos.org/から入手できる)を勧めている。CentOSは企業向けに開発された米Red Hatの「Red Hat Enterprise Linux」をベースに作られているからだ。これまでRedHat/Fedora系のLinuxディストリビューション慣れ親しんだユーザーには使いやすいだろう(関連記事)。

 そこで以下ではCentOS 4.4をベース・システムのOSとする例を示すことにしよう。なお,CentOS自体にも複数のパッケージが存在するが,Asteriskはサーバー・ソフトなので,CentOS 4.4 Server CDをベースにする。Server CDの場合には,CD-ROM1枚でインストールできるので簡単で便利だからだ。

CentOSのインストールと準備

 CentOS 4.4をインストールする方法は,これまでのRedHat LinuxやFedora Coreとほぼ同じである。CD-ROMからブートしてインストールを進めるだけだ。ただし,筆者の場合にはGUI(X-Window)は使用しないので,ブートCDのプロンプトではliunx textでテキストモードでインストールしている。

 インストール時に選択するパッケージはデフォルトのままでかまわない。まずはCentOS 4.4 Serverをインストールしてしまってほしい。なお,この後の作業でインターネット上からデータを入手する必要がある。そのためインターネットにアクセスできるように,ネットワークの環境に合わせてIPアドレスやゲートウエイなどの設定をしておいてほしい。

 CentOSのインストールが完了したら,まずはシステムを最新の状態に更新する。これにはyumが便利で以下のようにする。

# yum update

 更新が完了したら,システムを再起動して最新の状態でシステムを立ち上げておこう。

 次に,まずZaptelが必要とするパッケージを追加する。これは以下のコマンドで実行することができる。

# yum install gcc
# yum install ncurses-devel
# yum install kenerl-devel
# yum install kenerl-smp-devel

 Zaptelはこれら以外にも必要とするパッケージはあるが,CentOS 4.4 Serverの基本インストールに含まれているのでここでは必要ない。

 ちょっと注意が必要なのはkernel-smp-develである。インストールが終わった後で以下のようにしてunameでシステムを確認してみてほしい。

# uname -a
Linux AST-PBX 2.6.9-42.0.10.ELsmp #1 SMP Tue Feb 27 10:11:19 EST 2007 i686 i686 i386 GNU/Linux

 ここでLinuxのバージョンがELsmpとなっている点に注意。最近のデュアル・コアCPUはCPUが二つあるのと同じ状態なので,SMP(対称型マルチプロセッサ)バージョンがインストールされる。この場合にはkernel-smp-develが必要となるのでyumで忘れずにインストールしておく。