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モスフードサービス社長CEO兼COO 櫻田 厚氏

 情報システムの整備には、それなりに力を入れてきた。すでに店舗POSシステム、購買管理システム、物流システムなどは構築済みで、さまざまな業務を自動化している。

 でも現状に満足はしていない。なかでもクレーム管理システムの活用には頭を悩ましている。このシステムは、電話や手紙、メールなどで寄せられた、お客様の不平、不満、要望、問い合わせの内容をデータベース化したものだ。情報収集ツールとしては機能しているが、集めた情報をより質の高い店舗サービスの実現に結びつけているとは言いがたい。蓄積したデータをきちんと活用できていない。

 特に不満なのは、「情報が店舗の改善活動にどうつながったのか」や「その活動がどのような効果を上げたのか」の検証がなされていないこと。例えば、お客様から「A店舗のトイレが汚い」とのクレームが来たとする。システムを使えば、その内容を店舗の担当者に簡単に伝えられる。
 でも今は、それで終わってしまうことが多い。クレームを受け取った店舗の担当者が「今後気を付けます」と回答すれば、その後のフォローをしていない。
 これではシステムが「顧客サービスの向上に貢献した」とはいえない。お客様のご意見を基に、「店舗の担当者がすぐに掃除したのか」、「二度とクレームがこないよう、改善策を講じたか」などをチェックできる仕組みが必要と考えている。

 ただしシステムに蓄えたすべてのデータをうのみにはできない。お客様の声は大事にしなければならないが、最近は「いかがなものか」と言わざるを得ない声が増えた。

 携帯電話から簡単にメールできるようになったこともあり、対応に困るクレームの件数が増えている。「B店舗で働いている○○さんは暗い」といった類のメールだ。

 本当にその担当者の接客態度が悪かったのだろうか。それともメールを下さったお客様のムシの居所が悪かったのか。このあたりの判断はとても難しい。きちんと対応しなければならないのはもちろんだが、具体的な行動となると、現場も含めて困っている。

 これは極端な例かもしれないが、ネット社会になってお客様の行動パターンに変化が見られる。私の常識では考えられないタイプのお客様が増えている。先日、視察をかねて当社の店舗を訪問した際も、変わったお客様を見かけた。6人ぐらいで来店なされた若いお客様だが、仲間同士で一言も話さず、それぞれが携帯電話とにらめっこしていた。こうしたお客様にとっての良いお店とは何か、考えさせられた。 (談)

写真=柳生 貴也