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 「西暦2007年問題」はいささか奇妙な言葉である。明確な定義はなく、論文が書かれているわけではないし、まともに論じた書籍もない。にもかかわらず、この言葉はマスメディアのあちらこちらで顔を出す。しかも、情報システムをはじめとして、製造業やオフィス事情、あるいは消費動向まで、様々な事象に対して使われている。

 一般に通用する定義は、「団塊の世代が引退し、社会に様々な影響を与える」というものだろう。2007年は、団塊の世代で最も人数が多い1947年生まれの人々が60歳になる年である。確かにベテランが大挙して現役から退くとなると、何らかの影響を世の中に与えそうだ。

 一方、「情報システムの現場において50歳代の人はマネジャになっており、一線の仕事はもうしていない。彼らが引退したからといって、情報システムに問題を生じるわけではない」との見方もある。つまり、情報システムの現場において、ベテランはとっくの昔に引退している、というわけだ。確かに、情報システムを開発したり、動かしたりするエンジニアで50歳代の人はあまり見かけない。

 果たして、西暦2007年問題というものは存在するのか、しないのか。存在するとすれば、それはどのようなものか。2006年半ばを過ぎた今、その問題は起きつつあるのか否か。本当に問題があるならば、どう対処すればよいのか。

 本サイト「経営とIT新潮流2006」において、情報システムの西暦2007年問題に関する上記の疑問を解き明かしていくことにする。なぜ取り上げるかと言えば、この問題は確かに存在し、しかも経営とITの両方に関わる典型的な問題と言えるからである。ただし、危機感を煽る意図は毛頭ない。「解決への道筋」と題したコーナーで、解決策を提示していきたい。

 さらに、せっかくインターネットのサイトを利用している以上、一方的な情報発信にとどまらず、読者と双方向のコミュニケーションをとってみることにする。2007年問題に関して読者から意見を募り、寄せられた意見や提言を、「私はこう考える」というコーナーで紹介していく。

(ITの西暦2007年問題研究グループ)