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 3年前、筆者はITの西暦2007年問題に関するコラムを書き、日経ビジネスEXPRESSやITproといったWebサイトを中心に、コラムを発表した。ここでいう2007年問題とは、「情報システムのブラックボックス化」を指す。

 2007年問題という言葉を使ったのは、経営者が2000年問題と同様に、経営問題として認知してくれるのではないか、と思ったからであった。情報システムのブラックボックス化とそれを解決する人材不足という問題は、情報システム担当者やIT産業だけで解決することは難しい。システムを一から作り直すにせよ、新たなに出来合いのパッケージ・ソフトを購入し、それに切り替えるにせよ、経営判断が必要になる。

 しかし、3年前には、正直言って経営問題として認知されなかった。むしろIT業界の中の問題、しかも新旧の技術を取り替えるという狭い問題になってしまった。IT業界において、2007年問題を引用しつつ、次のような主張がなされるようになった。

 昔から使っている大型コンピューター(メインフレームと呼ぶ)を速やかに廃棄し、新しい小型コンピューターに切り替えるべきだ、なぜなら、大型コンピューターが分かるベテランが引退し、いなくなってしまうからである。

 一見、分かりやすい主張だが、こう言われてしまうと、ソフトウエアのブラックボックス化という真の問題が見えなくなってしまう。そもそも、使っているコンピューターの新旧にかかわらず、ブラックボックス問題は発生する。確かに昔から利用している大型コンピューターの上で動いているソフトウエアにブラックボックス状態のものが多い。しかし、そのソフトを改良せずに、最新鋭の小型コンピューターにそのまま移行したところで、ブラックボックスの問題は解消されない。

(谷島 宣之=日経コンピュータ副編集長、日経ビジネス編集委員、
ビズテックプロジェクト担当、経営とIT新潮流2006編集担当)