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ローソン 常務執行役員CIO 長谷川 進氏

 私はもともとハードウエアの技術者。8年前まで、ある国産メーカーでUNIXワークステーションを開発していたが、その後、家業を継いでさいたま市を中心に31店舗を展開する流通業の経営者に転身した。

 そうした経歴なので、技術やIT業界の動向には、今も高い関心を持っている。ここ数年、ITの技術革新は目覚しいものがあり、ハードウエアやソフトウエアの価格性能比は格段に高まった。製品の使い勝手も向上した。

 その結果、我々ユーザー企業は、手軽にITを導入できるようになった。以前は知識がある程度ないと、システムの導入は難しかった。

 こうした状況は、社員500人ほどの当社にとってチャンスだ。中小企業でも心がけ次第で、大企業に負けないIT武装ができる。

 その一方で、ITベンダーは大変だと思う。特に自社でハードやソフトを抱えている国産のITベンダーは、製品の低価格化で厳しい状況にさらされている。各社ともサービス事業の強化に腐心し、「ソリューションを提供します」と当社にも提案してくる。だが、ユーザー企業の経営者として言わせてもらうと、「国産ベンダーはビジネスのやり方があまり変わっていない」。

 期待も込めて、厳しい言い方をすると、古巣を含め国産ベンダーは、「製品を売って儲ける」というメーカー体質が抜け切れていないのではないか。営業担当者レベルでは、相変わらずサービスよりハード/ソフトを売ることに重点を置いている印象だ。

 担当者個人が悪いとは思わない。むしろ仕方がないことだ。担当者は「当社の業務を改善するソリューションを提案しよう」とがんばっている。「お客様のために良いシステムを提供したい」、「顧客にソリューションを提案したい」との志は、確かに見られる。

 その一方で、自社のハードやソフトを売らないと、彼らの評価につながらない。「理想を掲げるだけでは、自分の任務をまっとうできない」と悩んでいるのが現実である。

 結局、国産ベンダーには、昔の製品主体の文化が根強く残っているのではないか。組織体制や社員の評価方法など、多くの問題を抱えているような気がしてならない。

 その点、外資系ベンダーは、転身が早い。サービス事業に素早くシフトできているところが多い。サービスを提供するという考えが社員一人ひとりに徹底しており、魅力的な提案も多い。サービスに対する“考え方の基準”が、全社員にきちんと行き届いているのだろう。「ソリューション・ベンダー」を標榜ひょうぼうするなら、国産ベンダーも外資系に学んでほしい。(談)

写真=上岡 伸輔