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日本ケンタッキー・フライド・チキン顧問(インタビュー時は代表取締役執行役員社長) 貞廣 正氏

 ファーストフードに限らず、チェーンストア・ビジネスの多くは、いかに合理的に、いかに早く、均一なサービスを提供していくかが重要になる。これを実現するうえで、ITは決定的な役目を果たしている。

 このようなビジネスを進めるために不可欠だと私が考える情報は、お客様が何を思い、何を欲して、どんな点について喜んでいるか。そして、それが顧客満足にどうつながって、最終的に売上高や収益に結びつくかといったことだ。顧客の視点を知ることのできる情報と言ってもよい。これらのマーケティング情報は、当社にとって不可欠な経営情報である。

 次に重要なのは、全国にある店舗の現場で起きていることを把握するためのオペレーション情報だ。オペレーション情報については、外資系ということもあって、ITを活用して、これを定量的に分析する企業文化が根付いていると思う。

 社員同士が簡単に情報を共有できる仕組みも大切だ。私は社長に就任してすぐに、グループウエアのサイボウズを導入した。このソフトを入れただけで、業務効率が大きく向上した。例えばの話、それまでは紙に印刷していた情報をパソコンのモニターから確認できるようになった。何人かで紙を回覧していた時代には、必要な情報を見つけるのにも時間がかかった。

 情報を集めて分析する仕組みはそれなりにできている。POS(販売時点管理)システムもあれば会計システムもあるし、経営情報やオペレーション情報の分析システムも利用している。正確な数字は言えないが毎年、売上高の数パーセントをITに投資している。

 ただ現実には、これらのシステムが少しパッチワーク的になってしまっている面がある。システムで管理している情報が、完全には連動しているわけではないからだ。

 これは当社だけに限った話ではないのだろうが、それぞれのシステムは個別に導入を進めてきた。開発時点では、どのシステムも今の形で導入すべきという理由があったに違いない。ただ現時点で見ると、十分ではないと思えるところがある。全体最適の観点で見ると課題があるわけだ。

 この現状は変えていきたいと思っている。実際に、今よりもっと有機的に情報をやり取りできるように、システムの再構築を進めている最中だ。その取り組みの一つとして、2007年には新しいPOSシステムが稼働する予定である。長く使ってきた会計システムやマーケティング情報の収集に必要なシステムも新しいものにしたい。これから3年くらいで一つの形を示せればと考えている。(談)

写真=吉田 明弘