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ファミリーマート 取締役常務執行役員 システム本部長(インタビュー時は常務執行役員 システム本部長) 小部 泰博氏

 現在進めている「第3世代店舗システム」の構築プロジェクトは、経営の最優先課題だ。2005年3月、システム本部長に任命されたとき、社長から直々にプロジェクトを任された。それだけに責任は重い。

 2006 年9月からPOSレジスタやストア・コントローラの入れ替え、光ファイバー・ネットワークの敷設、マルチメディア端末「Famiポート」の刷新などに着手する。なにしろ全国で6500超の店舗があるため、極めて大がかりなものになる。併せて受発注システムと情報分析システムも刷新するだけに失敗は許されない。現時点でシステム投資額は310億円を予定しているが、2006年中に店舗数が7000店に達する見込みなので、最終的には400億円近くになるだろう。

 新システムは、光ファイバによるブロードバンド・ネットワークをフル活用する。現在は上りに ISDN、下りに衛星回線を使っているが、常時接続のブロードバンドに切り替えることで、発注データや売り上げデータをほぼリアルタイムに収集・処理できる体制を築く。現在、毎朝午前8時に、前日分をバッチで収集しているのに比べると、データの鮮度が格段に上がる。その分、より機動的にお客様の購買動向をつかむことができる。

 ブロードバンドの効果はそれだけではない。業務のやり方そのものを変える可能性を秘めている。例えば、ビデオ・カメラを使って商品の陳列棚を撮影し、商品の売れ行きを遠隔監視することが考えられる。商品の補充・発注方法や棚割り(商品の陳列方法)などをスーパーバイザー(店舗指導の担当者)が遠隔地から指示することも可能になるだろう。スーパーバイザーが店舗を訪ね歩く時間を減らせれば、空いた時間を別の業務に充当できる。

 ブロードバンドの活用に象徴されるように、ITによる業務革新は始まったばかりだ。我々システム本部は、革新を先導しなければならないのだが、現状では不十分。ITそのものを学ぶだけでなく、もっと現場と一緒に汗をかいて、ITの新たな活用法を提案できるよう変わらねばならない。

 特に期待しているのは若手だ。今でも1年に3~4人を海外出張させて、ITベンダーの工場や流通業のシステムなどを視察させている。

 若手といえば、今年度の新人に1人、有望な社員がいた。入社式後の歓迎会で私のところにきて、「情報システムの仕事をやりたい」と言ってきた。大学で基礎工学を専攻しており、大変意欲的だった。

 しかし、すぐにはシステム本部に配属せず、今は店長をやらせている。まずは現場の大変さを知るのが、本人にとって有益と考えたからだ。システム本部への配属は来春。店舗での経験を生かして活躍してもらいたい。(談)

写真:山田 愼二