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 2003年に初めて、2007年問題について書いてから、IT産業においてのみ騒がれ、世間一般には認知されなかったという話を前回までに書いた。ところが2005年後半くらいから風向きが変わり、ラジオやテレビといったマスメディアの担当者から問い合わせが来るようになった。

 最初はなぜ、筆者のところに問い合わせが来るのか不思議であった。2005年は、ITの世界を離れ、技術経営をテーマにした別のメディア作りをしていたからだ。2007年問題に関して、単行本を出したわけでもないし、その後の状況を取材して詳しく書いたわけでもない。

 だが、あるテレビ局の仕事をしているプロダクションの方と電話で話していてようやく分かった。Webだったのである。プロダクションの企画担当者が「2007年問題で番組を作ろう」と考える。インターネットの検索エンジンに「2007年問題」と入れて調べてみる。筆者が3年前に書いた記事が先頭、あるいは二番目くらいに出てくる。それでは、この記事を書いた記者に電話してみよう、となるのである。

 もう一つの疑問は、マスメディアがなぜ2007年問題を取り上げようとしたかである。この点を連絡してきたラジオ・テレビ関係者に聞いてみた。「いよいよ2007年が迫ってきましたので」という回答であった。

 文章あるいは言葉というものは恐ろしいとつくづく思う。3年前にWebで書いたコラムで使った言葉が少しづつ広がり、新聞やテレビで報道される。もともとの意図はともかくとして、言葉は一人歩きするのである。


(谷島 宣之=日経コンピュータ副編集長、日経ビジネス編集委員、
ビズテックプロジェクト担当、経営とIT新潮流2006編集担当)