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リクルート 執行役員 FITエグゼクティブオフィサー  藤原 章一氏

 当社のビジネスは、業績の低迷期から抜け出して、再び成長段階に入ったところだ。こういった時期だからこそ、他社にない新しい商品やサービスを生み出すことが重要だと考える。

 現在でいえばネット戦略がそうだ。若者を中心に、情報を得たり自分で発信したりするのに、まずネットを使う世代が増えている。

 例えば私の娘も、ネットを見たりメールをやり取りするだけでなく、ブログを書いて情報発信している。ブログ歴はまだ2年ほどだが、驚くほど習得が早い。紙媒体が重要であることに変わりはないが、若者のニーズを確実に取り込むには、これまで以上にネットを活用する必要がある。

 そのために、当社が試みている新しいサービスが、携帯電話向けサービス「R25式モバイル」や、マウス操作だけで簡単に情報を検索できる地図サービスの「スゴイ地図」などだ。今は収益にほとんど貢献していないが、どちらもこれからのリクルートを引っ張る可能性を持ったサービスだと思う。

 既存の経験にとらわれない新しいものが求められるのは事業部門だけではない。次々と新技術の登場するIT部門にとっても非常に重要なことだ。

 そこでIT部門には、事業部門と共同で新たなプロジェクトを、積極的に発案させるようにしている。3カ月に一度は、提案したアイデアを社員の前で披露する発表会も実施する。違う立場で業務にかかわっている人間との協業は新鮮なようで、この発表会は、事業部門の人間にとっても、大いに刺激になっているようだ。

 最近では、共同プロジェクトの対象が、事業部門だけでなく外部のIT会社にまで広がってきた。対象としているのは、我々の社内にない先進技術を持っている企業。こういった企業とのかかわりが深まるなかで、新しいビジネスのヒントが見つかる。

 IT部員の提案が形に結びついた例も出てきた。今年6月から7月にかけてサン・マイクロシステムズと共同で実施した、開発コンテストの「Sun×RECRUIT Mash up Award」は、その一例だ。

 これは、リクルートの提供しているものに他のサービスを組み合わせて、これまでになかったネット上の新しいサービスを生み出す試みである。当社のWebサービス「じゃらんnet」を活用したリゾート情報検索サービスなど、九つのサービスが入賞した。

 これまでになかったサービスにつながる提案は増えてきているが、まだまだ内容に向上の余地はある。IT部門には、リクルートの壁を打ち破るような提案を期待している 。(談)

写真:山西 英二