PR

 2007年問題対策の正攻法である全面再構築に挑んだ企業を取材していると、「全面」再構築というだけあって、ありとあらゆる取り組みをしていることに気付く。当たり前の話だが、その取り組み内容を列挙してみると、全面再構築の困難さが改めて分かる。

●ビジネス側から了承を得る
 まず、経営トップの理解を得なければならない。再構築のリスクと費用を認識してもらわないと前に進めない。さらに情報システムを利用する部門から、再構築に踏み切ることを承認してもらわないといけない。といって、あまりいい話ばかり並べたてると、利用部門が過度の期待をしてしまうので注意が必要になる。

●共通言語を用意する
 ビジネス側と情報システム開発・運用側で、コミュニケーションをするための共通言語が必要である。その一つが、データモデルである。企業で利用するデータがどのように関連し合っているかを整理したものだ。ビジネスの仕組みがどうなっているか、ビジネス側と情報システム側が議論するためには、データモデルのような共通言語が欠かせない。一からソフトを開発するにせよ、既存システムを流用するにせよ、パッケージソフトを買ってくるにせよ、データがどうなっているかを把握しておく必要がある。

●開発・実行・保守環境を整備する
 既存システムを解析するリバースエンジニアリング、パッケージを適用するために現状業務とパッケージの内容を比較する分析手法、各種のドキュメンテーションの仕組みから、開発または購入したソフトを動かすためのコンピューター基盤まで、様々な環境を整えておかなければならない。しかも難しいことだが、専任の担当者をおかないと、開発が忙しくなった時、「とにかく作る」といった突撃が始まってしまい、こうした仕組みや手法を活かせなくなる。

●プロジェクトマネジメント
 経営陣の合意を取り付け、利用部門の要求をうまくまとめ、データを精査し、開発実行環境を整え、適切なアプリケーション・パッケージを見つけたとしても、それでもなお、プロジェクトを進めると紆余曲折がある。なんとかゴールにたどり着くために、プロジェクトマネジメントは欠かせない。手法もさることながら、結局はリーダーの姿勢が大きく影響する。どれだけやる気があり、真摯なリーダーを投入できるか、ということである。

 これらを一気に用意できる企業はほんの一握りと思われる。段階的に取り組んでいく場合、どこからやるべきであろうか。


(谷島 宣之=「経営とIT」サイト編集長)