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サービスデスク,インシデント管理,問題管理といった運用プロセスのマネジメントを効率化する,という観点で統合運用管理ツールを選ぶ場合,大きく3つの作業に分けて考える必要がある。「情報の登録」「情報の管理」そして「作業実績の管理」だ。

 ITILのサービスサポートでは、「サービスデスク」「インシデント管理」「問題管理」「構成管理」「変更管理」「リリース管理」の6つの運用プロセスがある。各社の製品は、複数のソフトでこれら6つのプロセスをカバーしている。

 こうしたプロセスのマネジメントを効率的に実施するには、まず、統合運用管理ツールが以前から持つ監視や管理の機能とプロセスとの連携が必要だ。加えて、収集したデータの参照および分析機能も重要になる。

 その観点で、各社製品の機能を押しなべて見ると、10個のチェック・ポイントが浮かび上がる(図2)。これらは、「情報の登録」「情報の管理」「作業実績の管理」の3つの作業に分類できる。

図2●運用プロセス効率化のためのチェック・ポイント
図2●運用プロセス効率化のためのチェック・ポイント

 情報の登録では、「インシデント(障害報告など)の入力時に、関係するシステムの構成や過去の障害対応履歴(ナレッジ)、SLA(サービス・レベル・アグリーメント)などを容易に参照できるか」がポイントの1つになる。障害対応などを迅速にするためだ。

 例えば、BMCソフトウェアの「BMC Remedy」や富士通の「Systemwalker」では、IT資産の関係図を視覚的に表示する機能を持つ。さらに、障害対応ナレッジの検索や関連するSLAを表示する機能も備える。インシデント入力時に、同類のエラー・メッセージを含む過去のインシデントを自動的に検索し、過去のトラブル情報(対応者、対応内容、解決時間など)を参照できる。

未解決の障害の管理にも注目

 情報の管理では、「複数のインシデントを特定の障害原因とひも付けして管理できるかどうか」といった点が挙げられる。サービスデスクでは、「ある1つの障害が原因で複数のインシデントが上がってくるようなケースに柔軟に対応する必要がある」(運用コンサルティングを手掛ける新日鉄ソリューションズ ITエンジニアリング・サービス事業部システムマネジメント部運用コンサルグループの安部良樹グループリーダー)からだ。8社の製品はいずれもこうした機能を備えるが、操作環境に違いがある。

 例えば、BMC Remedyでは各プロセスをひも付けする専用の画面を用意し、インシデント管理から問題管理、変更管理、構成管理まで共通の操作で関連付けができる。Tivoliなどでは、複数のインシデントを特定の障害原因にひも付けるルールを定義する機能を備える。

 作業実績の管理においては、「解決できなかったインシデントを管理し、PDCAサイクルに回す仕組み」が重要だ。NRIの「Senju Family」では、既定の対応期限が切れたインシデントに関するアラート表示やレポート作成を支援する機能を備える。BMC RemedyやSystemwalkerでは、未解決のインシデントを管理。再発時に関連の調査資料を検索する機能や、再発だと管理者に通知する機能を持つ。

 大規模なシステムでは、「エンドユーザーが作業実績をWebブラウザで直接確認できるかどうか」も大きなポイントになる。「こうした機能があれば、運用管理者の負荷が軽減できる」と、コマツのシステム運用を担当するクオリカのアウトソーシング事業部基盤ビジネス部の本村正義部長は述べる。同社が扱うインシデントの件数は月に2200件超もあり、作業実績の問い合わせに答えるだけでも、運用管理者の負荷は大きい。

 Senju Familyでは、エンドユーザー向けに、必要最低限の入力項目に絞った簡易な問い合わせや、その進捗を確認できるWeb画面を提供する。日本HPの「HP Software」やNECの「WebSAM」でも、ユーザー用のWeb画面で進捗確認などができる。