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航空機の整備や改修を海外へ委託する日本航空。委託先であっても、業務の品質は自社の基準をクリアしなければならない。これを満たすために、日本航空のOBが委託先のTAECOに乗り込み、改革を進めている。改革を定着させるために、作業員自らが改善を提案する制度も作っている。

 航空会社は、航空機メーカーや航空当局らと取り決めたプログラムで機材整備をする必要がある。中でも、5~6年おきに実施するM整備は、エンジンを取り外して分解するなど1カ月以上もかかる重整備である。

 最近では旅客機を貨物機に改修する動きもあり、M整備に加えて3カ月以上かかる大がかりな作業も増えた。だが、国内の格納庫はスペースの問題から長期間占有できない。

 そのため日本航空(JAL)は1991年から海外にある整備や改修を専門とする企業へ委託している。その1社が厦門にあるTAECO社だ。2006年度は30機のうち半数を委託した。

写真●旅客用から貨物用に改修しているボーイング747型機内
写真●旅客用から貨物用に改修しているボーイング747型機内

 整備手順はボーイング社など製造元がすべて決めているので改善できる余地はない。ただ、委託先であっても、JALが目指す品質は確保しなければならない。TAECO社にはJALを専任で担当するチームを設置し、JALの考え方を深めやすくしている。

 TAECO社でJAL流の整備手法を教えているのが、百百寛洋技術担当役員である。百百役員は、JALのOB。「整備は労働集約型。いかに楽しくできるかという雰囲気づくりが重要だ」と言う。

 整備手順は変えられないものの、作業道具は作れる。従業員自らが改善提案をする制度を作った。自らが発案して作業が確実になるだけでなく、作業負担が減る。2カ月に1回表彰して社内報に掲載するなどして改善意欲を高めている。

写真●改善提案で表彰されると社内報に掲載。さらなる改善意欲を駆り立てる
写真●改善提案で表彰されると社内報に掲載。さらなる改善意欲を駆り立てる

 今年1月からはJALの担当チームが自らが率先して、5S執行度や整備レベルなどを評価してボードに張り出すようになった。「日本の拠点とも定期的に交流するなど連携を強めていきたい」とJALの海外機体整備管理部の松元泰志部長は意気込む。