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 ツールは正しく使わなければならない。トラックに荷物を満載して皆でリヤカーのように引っ張って歩いても,それはかえって苦労を増やしているだけだ。見かねてガソリンを入れることや運転免許の取得について教えようとすると,「そんなコストや手間をかける必要はない。これはしょせん最新の荷車だからリヤカーを引っ張る経験さえあれば良いのだ」と胸を張って答える人がいる。だがそれは違う。パラダイム・シフトを甘く見てはいけない。
 J2EE(Java2 Platform, Enterprise Edition)はエンタープライズ・コンピューティングに対する最新のツールだが,どうもリヤカー時代の成功体験に引きずられて,冒頭の例え話のような間違いが起きていると感じることがある。プログラミング言語のパラダイム・シフトについては誰もが知っている。Javaはオブジェクト指向プログラミング言語だそうだ。これは今度の荷車は自走式だというのに相当する。ここでは皆,異口同音に,「おおそれは素晴らしい」と言う。しかし,それに伴い開発プロセスを変えるべきだと言うと,ほとんどの人は途端に否定的になる。そこで相変わらず人力で引っ張ることになるわけだ。

  • 【連載◎開発現場から時代を眺める by arton】第1回
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