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住商情報システムは米ゼンソースの仮想化ソフト「XenEnterprise」を発売した。障害解析など手厚い技術サポートを提供し、システムの基盤として拡販する。伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が第1号の販売パートナーになった。

 「XenEnterprise」はオープンソースソフト(OSS)の「Xen Hypervisor」をベースに、商用製品として提供されている仮想化ソフト(図1)。住商情報システムが日本でのディストリビュータ契約を結び、5月31日から販売を開始した。既にCTCが販売パートナーとして、XenEnterpriseを使ったソリューションビジネスの展開を発表している。住商情報システムは年内に10社の販売パートナーを開拓していく計画だ。

図1●低価格で高性能を実現するXenEnterprise
図1●低価格で高性能を実現するXenEnterprise
ストレージやネットワークなどのデバイスドライバーは、仮想マシンでエミュレートせずに直接ハードにアクセスする「パラバーチャライゼーション」と呼ぶアーキテクチャで高い処理性能を発揮

 住商情報システムの菅原孝二プラットフォームソリューション事業部門IT基盤ソリューション事業部先端技術システム副部長は「今後のシステム基盤のデファクトになる仮想化市場を、Xenを理解してもらえるパートナー企業と開拓したい。製品販売やサポートを通じて、システム構築のノウハウも蓄積していく」と、ビジネスの狙いを説明する。

基盤ビジネスの戦略製品に

 ユーザー企業の仮想化のニーズは、既存システムの延命やサーバー統合の用途で急拡大している。1台のサーバー上に、WindowsやLinuxなど複数の仮想サーバーを稼働させることで、企業内に散在するサーバーを統合できる(図2)。今後は、データセンターにおけるホスティングの基盤としても仮想化技術の採用が進む見通し。

図2●管理ツールを使って、物理サーバーや複数の仮想マシンのリソース利用状況などを一括管理できる(上)。下は、XenEnterprise上で稼働するゲストOSの画面
図2●管理ツールを使って、物理サーバーや複数の仮想マシンのリソース利用状況などを一括管理できる(上)。下は、XenEnterprise上で稼働するゲストOSの画面
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 XenEnterpriseの競合製品の筆頭は、ヴイエムウェアが提供する「VMWare」。サーバーメーカーがOEM(相手先ブランドによる生産)販売するなど大きく先行している。菅原副部長は「OSSベースのXenEnterpriseは、新機能をスピーディに投入できる。ベンダーの囲い込みを嫌ってOSSであることを評価するユーザー企業も多い」と強調する。

 XenEnterpriseは、低コストでシステムを構築できることも差異化のポイント。価格は1年間のサポート付きで1サーバー36万円から。「VMWareに比べかなり安価な設定」(菅原副部長)と言う。また「パラバーチャライゼーション」と呼ぶ技術による性能の高さも特徴である。

 販売パートナー第1号のCTCは、システムの仮想化や統合化を実現するシステムインフラとして「SOI(Service Oriented Infrastructure)」と呼ぶコンセプトを掲げ、仮想化ビジネスを強化している。XenEnterpriseへの取り組みもその一つで、同社のシステム基盤構築ビジネスの戦略製品に位置付ける。鈴木誠治執行役員ITエンジニアリング室長は「IAサーバーの販売台数に占める仮想化技術の適用比率は現在1割に満たないが、3年後には100%に近付くはず。仮想化の技術はSIerにとって不可欠になる」と話す。

 これまで仮想化ソフトではVMWare、サーバーハードによる仮想化としてイージェネラのブレードサーバーなど、仮想化関連製品のビジネスを強化してきた。今後はシンクライアントシステムなど、XenEnterpriseを使ったソリューションの品ぞろえを増やしていく計画だ。

サポートはVAリナックスと協業

 OSSベースの商用製品を採用する際にユーザー企業が重視するのは、障害発生時などに、いかに手厚いサポートを受けられるかだ。加えて仮想化の領域では、システムに仮想化ソフトという階層が増えること自体、信頼性やサポートに不安を持っている。そこでサポートサービスの強化が、販売面の重要なポイントとなる。

 住商情報システムは、子会社のヴィーエー・リナックス・システムズ・ジャパン(VAリナックス)と協業して、XenEnterpriseの技術サポートを提供していく。VAリナックスは、Xenのソースコート開発で世界で4番目の貢献度を持っており、その技術とノウハウが強み。

 VAリナックスはLinux OSを対象に、カーネルのソースコードやメモリーダンプまで調査して障害解析や回避策の提案、修正モジュールの提供などを行うサポートサービス「VA Quest」を提供している。住商情報システムとVAリナックスは、XenEnterpriseについてもVA Questと同等のサポートを提供していくことを検討中で「ミッションクリティカルなシステムにもXenEnterpriseを適用できるようにする」(住商情報システムの菅原副部長)と話す。