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 多忙な業務に追われ連日夜遅くまで仕事をこなす。上司からは次から次へと新たな仕事の指示が振ってくる。そんな時,「仕事だからしょうがないけど,少しはこちらの気持ちも理解してほしい」と感じることがありませんか?社内の打ち合わせで,売り言葉に買い言葉で感情的な会話になり,お互いの関係にしこりを残してしまうこともあります。

 コミュニケーションでは,「相手の感情の扱い方」がとても大切です。仕事とはいえ,相手の感情をないがしろにしてはコミュニケーションをうまくとって仕事を進めていくのは難しくなります。

 そこで4回目となる今回は,「相手の話の内容や感情に理解を示して聴く」,つまり相手の伝えたいことを理解し,相手の気持ちや感情に配慮した,より良いコミュニケーションをとるためのポイントを紹介しましよう。

内容と感情を理解してもらえると,もっと話したくなる

 前回紹介したように,相手の話を「聴く」ための手順は,3つあります(図1)。1つ目は,相手が話しやすいと思えるような態度を意識して取って聴くことです。これは第2回で詳しく説明しました。2つ目は,相手の話しを正しく,より深く聴くこと。これは,前回に紹介しました。今回取り上げるのは,3つめの相手の話の内容や感情に理解を示して聴くための方法です。

図1●相手の話を「聴く」ための3つの手順
図1●相手の話を「聴く」ための3つの手順


 相手の話の内容や感情に理解を示して聴くことには,いくつかのメリットがあります。相手の話の内容をきちんと理解できれば,誤解が原因で感情的になることを防げます。また,相手の感情まで理解できれば,相手の気持ちを汲み取りながら聴けるので相手も安心して話せますし,もっと話したいという気持ちになります(表1)

   理解を示さない  理解を示す
内 容
聞き間違いが起こりやすい
相手の考えをいきなり否定しているように取られ,相手が感情的になる可能性がある
相手の伝えたいことを正しく解釈できる
一度相手の言い分を受け止められるので、相手が感情的になりにくい
感 情
相手が安心して話してくれなくなる
相手が,自分の気持ちを理解してくれていないと思い,あまり話さなくなる
相手の気持ちを汲み取りながら聴けるので、相手も安心して話せる
相手がもっと話したいという気持ちになりやすい
表1●内容/感情への理解を示すメリットは大きい


 では,次の同僚同士の会話例をご覧下さい。

会話例1

自分 「今やってる作業,ようやく終わって納品できたんだよ。最後は連日深夜までかかったけど,お客さんにも喜んでもらえたし,何より自分としてもやりきったなって感じがしてほっとしたよ」
同僚 「へぇ~。でも納品しただけじゃまだ安心できないよな。ほっとするには早いんじゃない?」
自分 「そう?」
同僚 「実際には納品してから思いもよらない問題が噴出することもあるしな」
自分 「まぁ,確かにそれはあるけど・・・」
同僚 「そういえばさ,うちのプロジェクトでこの間・・・」

会話例2

自分 「今やってる作業,ようやく終わって納品できたんだよ。最後は連日深夜までかかったけど,お客さんにも喜んでもらえたし,何より自分としてもやりきったなって感じがしてほっとしたよ」
同僚 「無事に納品できたんだ!最後までやり遂げてほっとしたんじゃない?」
自分 「そうなんだよ!かなりきつかったからさ,なんか自分自身良くやったよな~って感じがしてさ」
同僚 「きつかった分,特にそう感じるんだよね」
自分 「その通りだよ。今回は今まで担当したことなかった業種のお客さんだったからさ」

 あなたが,「自分」だったとしたら,もっと話したくなり,気持ちよくコミュニケーションできのは,どちらの会話でしょう。自分が伝えたい内容と感情に対して理解を示している会話例2のほうではないでしょうか。

 内容と感情に理解を示さずに聞くと,会話例1のように,コミュニケーションが続かなくなってしまいます。一方的に否定されるのも,その言い分が正論だとしても,あまりいい気持ちはしません。

 一方,会話例2のように,きちんと相手の話している内容とそのときの相手の感情に,理解を示すと,相手はもっと話したくなります。聞き手の側に立てば,より多くの情報を得られることになります。だからこそ,相手の話の内容と感情に理解を示しながら聴くことが非常に大切なのです。