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 総務省の「モバイルビジネス研究会」は2007年6月26日に,携帯電話事業者が採用しているビジネスモデルの見直しに関する検討結果をまとめた報告書案を公表した。同研究会は,日本と外国との携帯電話のビジネスモデルの違いを調査し,最終的に国内ユーザーの利便性を向上させることを目指している。今回の報告書案では,(1)通信料金の引き下げを促すため,端末販売と通信料金を明確に分離したビジネスモデルを導入する,(2)MVNO(移動通信再販事業者)の新規参入を促すため,携帯電話事業者が接続料や回線卸売り料金を明示して引き下げる,(3)携帯電話機の開発コストを削減し,事業者を問わずに同じアプリケーションソフトを使えるようにするため,端末プラットフォームを共通化する――といった方針が盛り込まれた。また,携帯電話機のSIMロックは解除するのが望ましいとしながらも,端末設備規則を改正する形で通信事業者に義務付けるかどうかは,2010年の時点で判断する方針を示した。

MVNO向け卸売り料金も引き下げへ

端末価格と通信料金を分離した料金体系の実現を推進
図1●端末価格と通信料金を分離した料金体系の実現を推進
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 現在の携帯電話のビジネスモデルでは,携帯電話事業者がメーカーから端末を買い取り,端末の販売奨励金を原資として1台当たり平均で4万円程度を割り引く形で販売店に提供している。その結果,販売店は安い端末を販売できるため,携帯電話サービスの普及に一役買ってきた。携帯電話事業者は販売奨励金を,ユーザーが毎月支払う通信料金に上乗せして回収している。今回の検討で問題とされたのは,端末を買い替える周期がユーザーによって異なるにもかかわらず,通信料金にはそれが反映されないため,端末を頻繁に買い替えるユーザーほど得になる点だった。そこで報告書案では,携帯電話事業者が販売奨励金を通信料金に転嫁せず,端末価格と通信料金を明確に分離した試験的な料金プラン(分離プラン)を2008年度までに用意することが望ましいとした()。さらに2010年には,分離プランを全面的に導入する計画が盛り込まれた。

 MVNOの新規参入促進策については,携帯電話事業者が端末の販売奨励金を端末販売関連収支ではなく電気通信事業収支として計上し,MVNOなどを対象とした接続料や回線卸売り料金の原価として算入している点を問題視した。そこで,端末の販売奨励金を電気通信事業収支として計上できないように,電気通信事業会計規則を2007年度中に改正し,改正法を2009年度から施行することが望ましいとした。これにより,接続料や卸売り料金の引き下げが期待できる。また,すべてのMVNOが公平な条件で移動通信回線を使えるように,卸売り料金の標準プランを作成することに期待するとした。さらに,2007年1月に改正された「MVNOに係る電気通信事業法及び電波法の適用関係に関するガイドライン」を再度見直し,MVNOの事業計画を携帯電話事業者が必要以上に入手できないようにすることなどが提言された。

 端末プラットフォームの共通化については,NTTドコモやKDDI,ソフトバンクモバイルなどの大手事業者は現在,自社の端末をメーカーが開発するための共通プラットフォームを導入している。報告書案ではこうした取り組みを,行政も積極的に支援すべきとした。また,携帯電話用サイトの記述に使う言語を国内で統一することを検討すべきとした。