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 関東・中京・近畿の三大広域圏で2003年12月に始まった地上デジタル放送のうち,近畿地区の地上デジタル放送は現在どこまで視聴エリアが拡大したのか。また,周辺地域におけるケーブルテレビ(CATV)による区域外再送信の状況はどうなっているのか。筆者は最近,近畿地区における地上デジタル放送の現状を調査する機会を得た。その結果を基に今回は,近畿地区の地上デジタル放送の実情を紹介する。


毎日放送(MBS)本社の正面玄関の様子
写真1●毎日放送(MBS)本社の正面玄関の様子
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 近畿地区では,生駒山に設置されている送信所(親局)がフル出力になって2年余りがすぎた。今年の冬には,地区内の重要な中継局の運用開始が控えている。京都府の「福知山」や「舞鶴」,兵庫県の「香住」や「城崎」などの中継局は,デジタル放送への完全移行に向けた重点局であるため,在阪4局(毎日放送と朝日放送,関西テレビ放送,読売テレビ放送)は告知活動に力を入れている。各局が共同で「地上デジタル推進大使」を招き,持ちまわりで各局の情報番組に登場させるなど,地上デジタル放送のPRに積極的である(写真1)。


TVOが単独で運用する中継局の運用が始まる

TVOが運用を始めた中継局のカバーエリア
図1●TVOが運用を始めた中継局のカバーエリア
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 また2007年7月1日には,大阪府の河内町や河南町,羽曳野市などをカバーエリアとするテレビ大阪(TVO)単独の中継局の運用が始まった(図1)。このエリアは親局の生駒山から距離は近いが,アナログ放送波との干渉があるため,TVOのデジタル放送波の受信が困難な世帯が少なくなかった。今回の中継局の運用開始によって,この問題が解決できた。

 放送開始25周年を迎えたTVOは関東地区のテレビ東京と違って,近畿地区ではなく大阪府だけをカバーエリアとする県域局である。そのため,テレビ東京系の番組は兵庫県や京都府などで視聴できなかった。テレビ東京の菅谷定彦会長も社長時代の定例会見で,「いずれ兵庫県内にテレビ東京系列局を設置したい」と述べるなど,近畿地区における受信状況の改善に意欲を示していた。

 TVOのケース以外では,和歌山県南部で2008年以降に中継局が整備され,田辺市や御坊市といった生駒山からの電波が直接届いていない地域でも,在阪4局の地上デジタル放送が視聴可能になる。ところが既に和歌山県南部では,関西電力系のCATV事業者が光ファイバーを利用して,これら4局の地上デジタル放送の再送信サービスを行っていることは特筆に値しよう。直接受信であれば,2008年まで待つ必要があるからだ。