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 総務省は2007年7月3日,2007年度の「情報通信に関する現状報告」(情報通信白書)を公表した。今回の白書では,「ユビキタスエコノミーの進展とグローバル展開」に焦点を絞り,通信・放送サービスや関連機器の国際展開に関する現状をまとめた。

 まず通信サービスの国際展開については,欧米の大手通信事業者が海外での事業展開を加速しており,特に欧州の事業者の国外売上比率が高まる傾向にあるとした。これは欧州内のサービスが連携していることが要因だが,欧州の事業者が米国や中国などアジアに進出していることもある。これに対して日本の事業者は,アジアや北米,南米への事業展開が進んでいる。今後はNGN(次世代ネットワーク)などに関する国産技術を世界で普及させるため,サービスの国際展開を一層強化することが重要とした。

情報通信メーカーの国際シェアが低下

 情報通信機器メーカーの国際展開については,テレビ受像機やパソコン,携帯電話機について,世界市場に占める日本市場の割合が年々低下している傾向が示された。つまり日本メーカーから相対的にみると,国外市場の規模の方が拡大していることになる。それにもかかわらず日本メーカーの自国内売上比率は59.3%と,欧米各国や韓国より高い。

 情報通信機器の世界シェア(市場占有率)をみると,1997年の時点ではDVDプレーヤーやデジタルカメラのシェアが30%以上,液晶パネルやノートパソコン,半導体,HDD(ハードディスク駆動装置)のシェアが15~30%だった。しかし2005年になると,デジタルカメラだけが30%以上で,ほかはすべて15%未満に低下した。さらに情報通信機器メーカーの平均営業利益率が2005年時点で4.6%にとどまっており,欧米各国や韓国より低い。こうした状況であるため,メーカーの国際競争力の向上が重要な課題になるとした。

 パッケージ型の情報通信ソフトウエア(組み込み型ソフトを除く)の市場では,価格競争力を向上させるために技術者が優秀でありながら人件費が安い国の企業に開発を委ねる動き(オフショア開発)が活発になっている。今回の白書では,2005年のオフショア開発の市場規模が636億円に達しており,2010年には1995億円に達する見通しを示した。日本メーカーの委託先は,日本語を使えるという理由から中国企業が79.2%と多い。一方で米国メーカーはインド企業を使うケースが多い。ただしソフトウエア開発の市場規模も拡大しているため,国内の開発者の雇用が減ることはないとしている。