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Forrester Research, Inc.
John R. Rymer Vice President
Michael Goulde Senior Analyst
Jacqueline Stone Research Associate


 米サン・マイクロシステムズは2006年11月、Java Platform Standard Edition(Java SE)とJava Platform Micro Edition(Java ME)の主要コンポーネントをGPLv2(GNU Public Licenseバージョン2)に基づいてオープンソース化することを発表した。HotSpot JVMとjavac コンパイラに使われているOpenJDKとphoneMEも、2007年中にはオープンソースとしてライセンスすると約束している。

 サンは、OpenJDKを改変した場合、その著作権をサンに譲渡するよう求めるとともに、OpenJDKを利用した製品の著作権保護について何もしないことを明らかにしている。ここが、ほかのオープンソースとは異なる部分である。

 こうした制約があるものの、今回のサンの方針転換により、企業システムの開発者は大きな恩恵を受けられる。サンにオープンソース化を働きかけていた米IBMは、JavaSE相当の「Apache Harmony」や、J2EE/Java EE 5相当の「Geronimo」を提供しており、開発者は二つの無料Javaプラットフォームを利用できるようになる。

 オープンソース化が期待どおりの効果を生めば、両社が競争することによってたくさんの優秀な開発者が試験やデバッグを繰り返し、OpenJDKとHarmonyはそれぞれ改良されることになるだろう。具体的には、以下の五つのメリットが得られると考えている。

1.オープンソース・プロジェクトに参加することにより、影響力が得られる
 サンとアパッチ・プラットフォーム・プロジェクトが注目を集めているが、ほかにもInterface21による「Springプロジェクト」、各種「Eclipseプロジェクト」、サンの「NetBeans」などの代替手段があり、こうした開発にかかわることにより技術向上できるだろう。

2.マイクロソフトへの強力な代替手段を得る
 Javaはマイクロソフトの「.NET」への代替手段となる。プラットフォームの実装をオープンソース化することによって、本質的にはJavaプラットフォームがマイクロソフトとの競争で優位になるというわけではない。しかし、現在はサンの社員ではない優れた開発者も、Javaプラットフォームの開発に参加するようになるだろう。Apache Harmonyについても同様のことが言える。

3.主要なプラットフォーム・ベンダーに対する「釣合い錘」を得る
 オープンソースのJ2EE アプリケーション・サーバーである「JBoss」の事例は、オープンソース実装が、IBM、オラクル、BEAシステムズ、サンの競合関係を変えた好例である。JBossは、それらのベンダーのセカンドソースになった。

4.派生製品の基礎ができる
 ソースコードについては以前よりサンから入手できるが、オープンソース・ライセンスの下で利用可能ではない。ユーザー組織の中には、自らの要求を満たすために彼ら自身のプラットフォームを作成しているところもある。

 こうした組織で開発者は、彼ら自身のJavaプラットフォームやほかのソフトウエアを実装するために、サンとアパッチの膨大なコードにアクセスできるようになる。ただし、仕様の互換性とJavaのブランディングについては、いまだにサンがその役割を担っている。

5.開発者が扱いやすい2つのライセンスを得る
 今回のクラスパス(JavaコンパイラやJDKツールに対して、.classファイルの格納先が記述されるシステム環境変数)の例外があるGPLライセンスの選択は、サンにとって大胆で賢明な決定である。主なオープンソース・コミュニティと彼らの要求をよく理解しているからである。さらに、LinuxとJDKの統合が簡素化されるだけではなく、Linux上で動くJavaアプリケーションにはライセンシングに関する問題が一切ない。ほとんどのJava開発者は、サンの今回の決定があっても影響を受けずに、これまでと同じようにビジネスを続けられる。