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Gartner, Inc.
Mark Raskino VP & Gartner Fellow
John Mahoney VP Distinguished Analyst
松原榮一 VP


 CIOあるいは情報システム部長といったIT責任者は、2007年に決定すべきことのリストを作り、かねてより計画されていた重大プロジェクトと並行して取り組むべきだ。ガートナーがまとめた10のリストを説明する。

■開始すべきこと

1.次世代リーダー引継計画を作る
 1946年から1964年に生まれた、“ベビーブーマー”世代の引退により、米国のIT部門は、見識とリーダーシップを失う危険がある。日本でいう西暦2007年問題である。次のリーダーとして、1963年から1978年に生まれた“ジェネレーションX”世代からエースを選び、権限を与え、挑戦的なプロジェクトに参画させる必要がある。

2.環境問題の評価と改善を始める
 現状のITは環境問題の解決策ではなく、問題の一部となっている。IT責任者は、IT関連の機器やサービス、ベンダーを選定する条件に、環境への配慮を入れなければならない。そして、省電力やリサイクル、出張削減、製品ライフサイクル管理といった分野でITが貢献するための目標を設定する。

3.ビジネスの革新を支援する
 IT責任者は、イノベーションに取り組むITリーダーを選び、IT予算の1~3%を、リスクはあるが創造的な取り組みに振り向けるとよい。この取り組みによって、社内のビジネス・イノベーターとスポンサーを見いだす。

■取り組みを強化すべきこと

4.全社のIT支出を可視化する
 企業のIT関連支出は、IT部門の総予算よりも大きい。IT関連支出をきっちり把握できていない上に、ビジネス部門主導のIT支出が増えているからである。IT責任者はCFO(最高財務責任者)の協力の下、全社のIT支出額を把握し直し、ポリシーに沿って管理できる体制を築く必要がある。

5.人事部門を戦略的に支援する
 ソーシャルネットワーク、コラボレーション、集合知などWeb2.0で総称される動きは、人々の働き方を変え、人事部門に大きな影響を与えよう。IT責任者は、人事部門の責任者と定期的に会い、人々に影響を与える動きと技術に関して話し合うとよい。

6.現場のビジネス経験をさらにもたせる
 ガートナーはIT責任者に対し、部下の技術者たちにビジネストレーニングを施すよう提言してきたが、十分ではない。部下を店舗やコールセンターなどビジネスの最前線に送り込み、1、2週間働かせる仕組みが求められる。

■中止すべきこと

7.コスト削減の報告
 ITコストを減らすだけでは、長期的な戦略性欠如とインフラストラクチャへの投資不足を引き起こしかねない。IT責任者は、担当したプロジェクトがもたらしたビジネス上の価値を報告するとともに、ビジネスプロセスの再設計によってITコストを下げる方法をとることが望ましい。

8.手続だけのITガバナンス
 ITガバナンスの確立は過去5年、常に優先事項であったが、ビジネス部門の巻き込みが不足している。IT責任者は形式的に取り組む前に、ビジネス部門と話し合い、ITガバナンスの目的と重要性について共通認識を持つべきである。

9.技術の詳細への集中
 今後数年間、大多数のIT部門はマイクロソフトVistaを導入するため、技術の詳細議論を繰り広げるだろう。だがVista導入はOS更新に過ぎず、戦略案件ではない。IT責任者は、部下たちがマイナーな技術議論に陥らないようにしなければならない。

■体験すべきこと

10.最新技術に触れ、利用する
 IT責任者は2007年中に、少なくとも次の4種類の最新技術に触れ、使ってみる。3次元印刷(http://www.fabjectory.com/)、ソーシャルインフォメーションアナリシス(http://www.consensuspoint.com/)、新しい言語(http://www.flapjax-lang.org/)、仮想コミュニティ(http://secondlife.com/whatis/)である。