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住中 光夫 氏
システムリサーチ&コンサルト
代表取締役

 “Excelの達人”の後継者が育っていない。Excel利活用のコーチ役として、度々ユーザー企業を訪問している。どこの企業の経理や財務・営業部門にも、必ず1人はExcelの達人がいる。こうした達人は、Excelを使って本格的な業務システムを組んでいる。ただし、50歳前後の社員がほとんどで、達人に続く若手・中堅社員が育っていない。Excelを自由自在に使いこなす若手・中堅社員に出会う機会はめっきり減った。

 “Excelの達人”と呼ぶに値する熟年社員の多くは、40歳前後の時期にExcel 95と出会っている。計算の道具といえば、そろばんや電卓が当たり前だった世代がExcelを知り、その利便性と可能性に大きなカルチャーショックを受けた。そして「この便利なツールを使いこなしたい」との思いから、その後10年間、どっぷりとExcelにハマった。そして業務を効率化するシステムを自ら開発し、保守してきた。

 ところが、若手社員がさほどExcelに思い入れがないため、達人が引退したり異動すると、企業の現場はExcelシステムを保守できない状況に陥ってしまう。若手・中堅社員の間でExcel文化が欠落したのは、世代がガラリと変わったことが影響している。今の20歳代~30歳代の社員は、小中学生の頃からパソコンを始めとする多機能なツールに触れてきた。Excelで実現できるようなことは当たり前で、さほど目新しさを感じない。Excelに興味がないから、深く知ろうと思わず、達人予備軍が増えなかった。

 このままでは将来大きな問題になりかねないが、打つ手はある。パソコンが当たり前の時代で育った若手・中堅社員はITの素養があるため、ちゃんと教えれば理解するし、飲み込みのスピードは早い。Excelの達人が指南役となり、若手・中堅社員にExcelの魅力を正しく伝えることがポイントになる。

(聞き手は菅井 光浩=日経コンピュータ)