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日経コミュニケーション2005年8月1日号の記事を掲載しています。原則として執筆時の情報に基づいており現在は状況が若干変わっている可能性がありますが、BCP策定を考える企業にとって有益な情報であることは変わりません。最新状況は本サイトで更新していく予定です。

 企業や官公庁の業務を担うサーバーの低価格化が進み,拠点でのエンドユーザーの手による情報システムの運用が大幅に普及した。新潟県中越地震ではこれらの情報システムが一斉に被災。ほぼ無傷だったデータ・センターと比べ,拠点でサーバーを守りきることの難しさをユーザーに突き付けた。

UPSだけでは長期間の停電に無力

 まずは拠点での電源確保が必要となる(図3)。  震災直後には各地で大規模な停電が発生した。新潟県を管轄する東北電力によると「新潟県中越地震では安全装置が働いたことによる停止やユーザーに電源を供給する電柱の倒壊,土砂崩れによる幹線の切断など,障害が複合的に発生した」という。その規模も「近年まれにみる」(東北電力)ものだった。

図3●大災害では電力会社の商用電源が停止する
UPSへの依存は最低限とし,商用電源の不安定さに気を配るべきだ。
[画像のクリックで拡大表示]

 新潟県中越地震で被災したほとんどのユーザーは拠点のサーバーにUPSを接続して停電に備えており,震災時も稼働し続けた。そのためサーバー・クラッシュなどの被害はほとんどなかった。

 しかし,UPSで電源を確保できるのは,10分から数十分程度が一般的。UPSは長期の停電時にサーバーの稼働を続けるためのものではなく,瞬間的な停電に対応したり安全にサーバーをシャットダウンするのが役割だ。

復活しても電力は不安定

 電力会社の電源が復活したとしても,すぐには安心できない。

 例えば,小千谷市役所では震災から数日後に,いったん東北電力の商用電源が復活した。そこで,担当者がWeb関連のサーバーを復旧作業のために起動したが,再度停電が発生。普段であれば瞬断などと同様にUPSで保護できたが,UPSの内蔵バッテリーは既に使い切っていた。そのため,Webサーバーはいきなり電源オフ。ディスクがクラッシュするというトラブルにも見舞われた。

 災害後は電力供給が不安定であることを認識し,再度サーバーの電源を投入する際はUPSのバッテリー残量を確認することが欠かせない。

 川口町役場では,移動式の自家発電機が震災3日後に設置された。ただ「工事用の発電機だったので,情報システムをつなぐのは不安であり避けた」(情報システムを管理する生活福祉課の鈴木聡氏)と言う。

自家発電機は定期的に自ら点検を

 停電時にもサーバーを動かし続けるには,自家発電機が必要だ。自家発電機を備えている企業や官公庁も少なからずあった。ただし自家発電機を用意するだけでは安心できない。実際に動くかどうか,ユーザー自身による日常的なチェックが欠かせない。

 前述の,小千谷市は庁舎に情報システム用の自家発電機を備えていたが,いざというときに動かなかった。小千谷市が自家発電機を設置したのは震災の約1年前。しかし,実際に稼働するか点検をしていなかった。そのため地震の揺れで壊れたのか,それ以前から問題があったのかは定かではない。兵庫県のように「2 週間に一度,自家発電機は実際に起動しチェックしている」(企画管理部災害対策局防災情報課の鈴木英雄課長補佐)との対策が必要だ。

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