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 Windows Vista,Office 2007,そしておぼろげに姿の見えているLonghorn Serverは,Microsoftの2007年における戦略的に重要なリリースでは“ない”と私は思う。セキュリティ関連を別にすれば,ネットワーク環境におけるMicrosoft製品のなかで,最もお金と時間が必要なものは管理なのである(そしてセキュリティもほぼ間違いなく管理の問題である)。

 新しいSystem Center製品ファミリは,システム管理を単純化し,Microsoftサーバーおよびアプリケーションの正常な動作を保証するMicrosoftのベンチャー的な製品である。顧客維持および企業価値の面から見た場合,控えめに見てもSystem Centerは,大きな利益を生み出す製品と同様に,Microsoftの継続的な市場独占にとって重要である。

 業界の目がVista,OfficeそしてLonghornに向いている間に,Microsoftは「System Center Operations Manager(Ops Manager)」と「System Center Essentials(SCE)」を発表した。このファミリのメンバーで特に興味深いのは,虎視眈々と出番を待っている「System Center Virtual Machine Manager(VMM)」である。

 サーバー・ハードウエアのコモディティ化により,仮想化は最も秩序を乱すテクノロジーになりつつある。私が,仮想化された環境を管理する「VMM」をMicrosoftの2007年における最も戦略的に重要なリリースだと考えるのはこのためである。

「仮想化が持つ価値を解き放つには,管理が必要」


 Microsoftの仮想化戦略の担当役員であるDavid Greschler氏によれば,「IDCの概算では,北米におけるサーバーで仮想化されているものはわずか5~6パーセントに過ぎない」という。ただしMicrosoftはVMMには大きな潜在需要があると見ている。

 「次のフェーズの仮想化が持つ価値を解き放つには,管理が必要であることは明白だ。マシンがどこにあるかわからず,遠隔で管理および移動できなければ,動的にサーバーおよびソフトウエアをオンデマンドで構築するための鍵になる仮想化の恩恵を受けることはできない。仮想化の恩恵を真に受けるために,VMMは重要なリリースである」(Greschler氏)。

 VMMは最初の仮想化環境管理ツールではなく,また唯一のツールでもない。しかし,Davidによれば,VMMには競合製品にはない二つの特徴があるという。

 第1に,顧客は物理面および仮想面に対応した単一の管理ツールを必要としているということだ。他の製品のツールでは,物理面または仮想面のいずれか片方しか管理できない。次に,VMMによって,System Centerの豊富な機能のすべてを仮想マシンの世界に適用できる。VMMにはMOM(Microsoft Operations Manager)に関連付けられた管理パックが用意されており,仮想マシンの状態を物理マシンと同じレベルの粒度で監視できる。

 VMwareなどの競合製品と比較した場合,VMMでは異機種混在の仮想環境を管理できるのかどうかという疑問が出てくる。Microsoftの回答を私流に翻訳すると,実際は不可能である。VMMのテクニカル・プロダクト・マネージャであるEdwin Yuen氏の回答は次のようなものであった。「我々はこのリリースでVirtual Server 2005のインスタンスを管理している。Virtual Server 2005の異機種OS稼働機能を使用すれば,VMMで異機種OSの起動,停止,プロビジョニングなどが可能である。VMMのいくつかの拡張機能は動作しない可能性があり,P2V(Physical-to-Virtual conversion)や特定の監視レベルとの統合など,その他の機能はWindowsプラットフォームのみに制限されている」。

Veridianをサポートするか


 VMMは現在ベータ2リリースの状態であり,マイクロソフトのサイトから自由にダウンロードできる。このリリースでは次のような機能が提供されている。

  • Outlookと同様の新しいUI
  • Windows PowerShellのサポート
  • P2V変換(P2VはWindows Server 2003およびWindows Server 2000でのみ利用可能)
  • Virtual-to-Virtual(V2V)変換。VMMベータ2のPowerShellインタフェースを使用して,VMwareディスクまたは仮想マシン(VM)をVirtual Server 2005 Virtual Hard Disk(VHD)に変換可能
  • 64ビット・サーバーのサポート
  • VMMサーバー,ライブラリ・サーバー,委任プロビジョニング・ポータル,管理コンソール,データストアなどを含む,すべてのVMMコンポーネントのリモート・インストール機能

 私は当然,VMMがLonghorn hypervisor(Longhorn Server Core上に構築されるプラットフォームレベルの仮想化機能。コードネーム「Veridian」)をサポートするかどうかが知りたかった。Microsoftの回答を私流に翻訳すると,現時点では不可能である。

 Greschler氏によれば,VMMの製品版がリリースされるのは,「Virtual Server R2 SP1を含むVirtual Server向けが今秋」である。そして第4四半期,Veridianのベータ・リリースから2,3週間以内に,この形態の仮想化をサポートするVMMのベータ版がリリースされることになる。2008年の前半,Veridianの製品版リリースと同時にVMMを出荷する予定である。

 私は最近,仮想化が今日のあらゆる問題に対する答えになるかもしれないと書いた。そしてVMMは,仮想環境のデプロイおよび保守方法に対するMicrosoftの回答なのである。