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 製品の仕様を見ると,アナログ/デジタルという違いのほかに,製品によって装備するインタフェースの数やきょう体の形状が異なっている。管理コンソールの数,管理コンソールの利用場所,管理対象となるサーバーの数など,利用シーンに合わせて製品を選べるようになっている(第2回の表1参照)。

 例えばサーバー,管理コンソールの台数が少なく,デスクトップのパソコンからサーバーを管理したいという場合は,1対1接続用の製品を選べばよい。弁当箱大だからスペースは食わない。管理対象のサーバーが同じ場所にいくつもある場合は,サーバー接続用ポートを複数備えた製品が必要になる。

 サーバー室やデータ・センターなどで,一つのラックに収容した複数のサーバーを管理したい場合には,サーバー接続用ポートが8個を超えるような1対多,多対多接続用の中上位機種が向く。1~2U形状のラックマウント型で,サーバー・ラックに装着できる。このラックマウント型では,単純なKVMスイッチのほか,前述の液晶ディスプレイ/キーボード/マウス内蔵型(ドロワー型)がある。

1ポート単位で拡張できる分散型製品

 このほか,必要最小限のスペースに設置できるように,設置の自由度を高めた製品もある。米ラントロニクスの「Spider」がそうだ。手のひら大のきょう体にKVMスイッチのフル機能を持たせてある(写真1)。特徴は,複数のKVMスイッチを数珠つなぎして拡張できる点。8,16,32と機種によってポート数が決まる一般的なKVMスイッチと違い,必要なポート数の分だけ用意できる。「多ポートのKVMスイッチより耐障害性が高いこと,ラックの空きスペースを消費しないことが2大メリット」(昌新 情報システム営業部の鈴木三達部長)である。

写真1●米ラントロニクスの分散型KVM「Secure Linx Spider」
写真1●米ラントロニクスの分散型KVM「Secure Linx Spider」
KVMスイッチを小型化した上で,LANポートをデイジー・チェーンでつなぐ機能を追加。必要なサーバーにだけKVMスイッチを付けられるほか,仮想的なKVMスイッチとして個々のSpiderを統合管理できる。

統合管理と仮想ドライブで競う

 最近,ユーザーの間では,IPネットワークで伝送するデジタルKVMスイッチが普及し始めている。デジタルKVMスイッチの価格は,当初100万円超が相場だったが,今では約10万円からと手軽に導入できるレベルになった。

 ただ,KVMスイッチの基本機能の進化は,アナログ型,デジタル型とも一息ついた状態。今後は管理性の向上と,遠隔のサーバーに対面しなければできない作業を減らす付加機能がどの程度充実しているかが製品選択の鍵を握る。

 ほとんどのベンダーが考えているのは,統合管理ソフトの強化。複数台のKVMスイッチの配下にあるサーバーを横断的に一覧表示させたり,リモート電源管理製品に指示を出せるようになる。

 これまで管理ソフトを提供していなかったATENは,「今後は統合管理ツールに注力する」(ATENジャパン)という。既に管理ソフトのある米アボセント,米ラリタン・コンピュータは,管理対象を拡大する方向だ。「インテルのAMTを統合管理できるツールを提供予定」(日本ラリタン・コンピュータの栗田担当部長),「運用管理製品との連携を予定」(アボセントジャパンの米山康チャネルセールスマネージャー)といった具合である。

 付加機能としては,米アボセントが先んじた「バーチャル・メディア」機能がトレンド。パソコンのUSBストレージをリモートのサーバーにマウントできる。コンソールとして使うパソコンに接続したUSBの光学式ドライブにOSやアプリケーションのCDを入れ,リモートのサーバーでインストールできるようになる。