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■中小ソフトハウスの経営者・経営陣の皆様に成長の壁を突破する方法をお話する第7回目は、中小ソフトハウスが考えるべきビジネスモデルの発想法についてお話したいと思います。

(長島 淳治=船井総合研究所 戦略コンサルティング部)



「あなたの会社のビジネスモデルを教えて下さい」。こんな質問をして、明確な答えを返せる会社はどのくらいあるでしょうか。

年商3億円までの企業は、ビジネスモデルそのものを意識せずに企業活動を営んでいます。しかし、中小ソフトハウスにとっても年商3億円を超えるためには、この“ビジネスモデル”について考える必要があります。

そこで今回は「あなたの会社は何業ですか? ツキの原理が会社を救う!」という内容についてお届けします。

自社のビジネスモデルを理解していますか

「社長、あなたの会社は何業ですか?」
この質問をすると、多くの方はキョトンとした顔になります。馬鹿にするなとばかりにこう答えます。

「長島さん、うちはソフトウエア業ですよ」
あるいは、こんなパターンもあります。
「長島さん、うちはサービス業ですよ」

「なるほど。それでは皆様が売っている物の見積り基準を教えて下さい」
「それは・・・人月単価ですが」

実は商品と見積もり基準は、その会社が販売している物が何かを表します。人月単価と回答した場合、技術者を商品としています。社内で請け負う形で受託開発をしているなら話は変わりますが、常駐派遣型のビジネスが主流であれば、恐らくその会社は「技術者中心の人材派遣業」です。

ビジネスモデルとは、ビジネスの仕組みや設計図と解説されます。それではビジネスとは何でしょうか? ある辞書には、利益を目的として進める仕事と書いています。私流に翻訳すると夢を実現するための方法となります。つまり、企業が夢を実現するために営む仕事の仕組みがビジネスモデルとなるのです。

この連載の第3回では、その夢の構築方法をお伝えしました。そこで出来上がった夢を、どのように具現化していくのか、その仕組みがビジネスモデルだとすれば、あなたの会社のビジネスモデルと夢は正しく一致しているでしょうか?

例えば、自社をソフトウエア業やサービス業と回答している経営者のビジネスモデルが、人脈営業による技術者派遣ビジネスであるとしたら、如何でしょうか? ビジネスモデルとは、その会社の今の状態を如実に反映します。夢に近付くためには、実はビジネスモデルの再構築を意識する事が大切なのです。

ビジネスモデル構築の第一歩とは

ビジネスモデルを理解するためには、まずは自社のモデル分析から始めることをお薦めします。今の自社の収益構造がどうなっているのか、それを知ることから学べることがたくさんあります。私がご支援先の会社で行う簡単なビジネスモデル分析をお伝えします。

1)3カ年の売上・売上総利益・営業利益の推移を書き出す
2)各年度を支店・組織別に分割する
3)各支店・組織を元請け、下請け比率別に分割していく
4)下請けの分野をさらに商流別に細分化する(一次請けなのか、多重構造の中か)
5)各ビジネスモデル別にかかわっている従業員数を記入していく

この分析を行うと、どの事業が成長しており、どの事業が黒字なのか、赤字なのかが分かります。注意点としては、金額の表示は概算で行う事です。1円単位まで正確に調べる必要はありません。これは自社のビジネスの中身を感覚的にとらえるために必要な視点です。ただ開発か、派遣か、運用か、ハードウエアビジネスなのかを細分化すると、より理解が深まります。

船井総研では「ツキの原理」というものを重要視しています。その会社でツキのある商品、事業に最大限の投資をすることにより、短期的に会社の業績が向上します。では、ツキのある状態とはどんな要素が必要なのでしょうか。

・伸びている
・自信がある
・効率的である

この3つのうち、2つの要素を満たしている事業や商品がその会社にとってツキがあり、恐らく現段階での一番商品だと思います。補足をしますが、伸びているとは、売上や利益が昨対比120%以上の伸びを示していることです。自信については分かると思いますが、効率的とは、その商品は利益率が非常に高かったり、受注しやすかったりするものを指します。

さて、ビジネスモデル再構築のポイントですが、特にソフトハウスにおいては業種もしくはテーマ特化型で考えることです。これについては、賛否両論が必ずあります。しかし、弱者がマーケットで自社の道を発見するためには、この考え方をしっかりと理解していることが重要です。

その辺りの話は次回、「長所伸展法という発想」でお話させていただきます。


著者プロフィール
1998年、桃山学院大学経営学部卒業。某大手SIerでの営業を経て、船井総合研究所に入社。以来、年商30億円未満のソフトハウスを専門にコンサルティング活動を行う。「経営者を元気にする」をモットーに経営計画作り、マーケティング支援、組織活性化のため全国を飛び回っている。毎週1回メルマガ『ソフトハウスのための幸福経営論』を発行。無料小冊子『ソフトハウスが元気になる30の法則!』も発刊。