SQL Server 2000から一足飛びにSQL Server 2008(コード名「katmai」)をインストールするユーザーはいるのだろうかという疑問を提示した先の記事(「SQL Server 2008に一足飛びに移行するのか」)に関連して,いくつかのトピックについてフォローが必要だと思った(先の記事「Leapfrogging to Katmai」と,それに対して読者から寄せられたコメントはこちらで参照できる)。
時間がたてばわかることであるが,最初のころの読者の反応では,SQL Server 2008に飛び付くユーザーの数がかなり多そうだった。しかし,ここで最初のテーマをもう少し絞り込んで見ると,まだSQL Server 2005に移行していないユーザーは高い割合で一足飛びにSQL Server 2008をインストールするだろうが,SQL Server 2005に移行済みのユーザーはすでにSQL Server 2008をパスすることを検討しているようだ。
最終的には,SQL Serverコミュニティが複数のSQL Serverのリリースごとに分割され,大部分のユーザーがバージョンを丸ごとパスするという中長期シナリオに落ち着くかもしれない。SQL Serverコミュニティが複数バージョンに分裂することは必ずしも悪いことではないが,そうなったときに,Microsoftが現在目標としている約2,3年ごとのメジャーリリースを続けるかどうかは興味深いところだ。
SQL Server 2000とSQL Server 2005のリリース間隔が空いたとき,Microsoftを責めるのは簡単なことだった。同じように,ユーザーがすべてのリリースに追従することに金銭的価値を見出しにくいほどのペースで,MicrosoftがSQL Serverのメジャーバージョンをリリースしていることを責めるのも簡単だ。
それにしてもMicrosoftが,SQL Serverや他の製品で展開している機能パック(feature pack)モデルへの投資を増やすといった妥協点はないのだろうか。機能パックは製品のメジャーリリースではないが,主要機能に重要な追加機能を提供することが多い。製品のメジャーリリースは,データベース・エンジンや製品アーキテクチャの他の重要な部分の中核機能が変更された場合に必要になることが多い。しかし,ユーザーが待ち望んでいる「キラー機能」は,アーキテクチャの中核機能の変更であるとは限らないし,機能パックや暫定的マイナーリリースでなら2,3年ごとよりもずっと早いサイクルでリリースできる。
頻繁に機能パックで新機能が追加されるのであれば,一部のユーザーにとってはメジャーリリースをパスするほうが好みに合うかもしれない。Microsoftがツールをもっと頻繁なアップデートサイクルでリリースすることを検討すれば,そのほうがうまくいくのではないだろうか。筆者としては,SQL Serverの管理および開発向けツールセットの公式なリリースサイクルは,2,3年ごとではなく,毎年であってもかまわないと思う。読者の皆さんはどう思うだろうか。