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黒革のノートの上にある印刷物の紙束が、携帯している「虎の巻」。その下のA4のクリアファイルには、案件ごとに提案資料などを分けて持ち歩く
 「難しいものを売りたかったから」。ワークスアプリケーションズの大久保は、ITサービス業界に転身した動機をこう明かす。当初はこの業界に関心はなかったが、「高価かつ無形で、購入の意思決定者がたくさんいる」という“商品の特性”を知り、俄然と興味を持った。そんな時にある転職セミナーでワークスの最高執行責任者(COO)である阿部孝司の講演を聞き、「もっと話を聞きたい」と感じた大久保は、そのまま転職を決めた。

 入社してみると、営業部門の先輩たちは独特なオーラを放つ人物ばかり。「対顧客より、先輩たちに認められるまでが本当にキツかった」と大久保は振り返る。日々の活動報告では「それがベストの方法か」「既成概念にとらわれているぞ」と毎日のように厳しい指摘を浴びたという。しかしその厳しさを楽しむように仕事に取り組んだ大久保は、入社1年目から頭角を現す。1年目なら受注1件で優秀と評価される中、大久保は2~3件の受注を獲得。「先輩に売らしてもらった」と謙遜するが、ITサービスの営業が水に合っていたのだろう。入社2~3年目にかけては、競合がひしめく案件、既存顧客からの追加案件、競合がない中で顧客の決断を促す案件と、異なるパターンの商談を立て続けに制した。「多様な商談に対応できたことで、現在につながる大きな自信を得られた」と語る。

 昨年度は5億~6億円の案件に関わるまで成長した大久保だが、その営業スタイルは意外なほどに正攻法だ。「営業に効く万能薬はない。礼儀正しく、思いやりを持って、地道に顧客と正対することが大事。話し方の技術やスキルはあるに越したことはないが、なくてもいい」と言い切る。そんな大久保が毎日持ち歩いているのが、COOの阿部がまとめた「営業の虎の巻」だ。「一通りは頭の中に入っているが、常にノートにはさみ、時に読み返す。後輩の指導にも便利なので」と大久保。基本を大事にし、正攻法な営業を好む大久保らしい持ち物だ。

=文中敬称略

大久保 貴史(おおくぼ たかし)氏
ワークスアプリケーションズ
営業本部 販売推進グループ
セールスマネージャー
 1997年に慶應義塾大学経済学部卒業後、繊維系専門商社に就職。営業部門でルートセールスを経験する。2003年3月に勉強に専念するため退職し、民間のビジネススクールで経営学を学ぶ。03年7月にワークスアプリケーションズに入社し、営業本部に配属。06年7月にマネージャーに就任。週末はテニスなどで身体を動かす。