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 2年ほど前,ある中堅企業のIT担当副社長がITには投資していないと話してくれたことがある。なぜかと聞くと,「生産性」が最終損益に現れてこないからだという。筆者はそれを聞いてあきれてしまった。彼はすでにその企業からいなくなってしまったが,もし今でも在籍していたとしたら,筆者はMicrosoftの依頼でStanford大学が実施した「Strategic IT Investment in Midsize Firms(中堅企業の戦略的IT投資)」という調査を紹介するだろう。

 この調査で判明した主なポイントは以下の通りである。

  • 中堅企業の戦略的IT投資によって,企業の総収益は30%増加する
  • ITをコスト・センターと考える中堅企業の従業員あたり収益が16万4000ドルであるのに対して,ITに投資している中堅企業の従業員あたり収益は25万4000ドルである
  • ITに投資する企業はそうでない企業に比べて,販売,マーケティング,財務などの各分野における能力もほぼ2倍である

ミッドマーケットにはチャンスがある

 上記のIT投資に関する会話を聞いて私は,Microsoftがサーバー製品(開発コード名「Centro」)を投入して再び中堅企業市場(ミッドマーケット)に乗り出そうと準備を進めていることを思い出した。来年Microsoftは,既存のミッドマーケット向け製品とともにCentroを売り出して,ミッドマーケットへの大幅な投資を進めるだろう。

 Microsoftはなぜ突然ミッドマーケットにこれほど興味を示すようになったのか。ある統計を見ると,その理由がわかる。

 Microsoftは,ミッドマーケットをPC台数25~499台,従業員50~999人の企業からなる市場として定義し,そのような規模の企業が世界中に140万社存在すると見積もっている。ちなみにMicrosoftの見積もりでは,PC台数が25台未満で従業員が1~49人として定義される小規模企業は世界中に3900万社,PC台数が500~1000台で従業員が1000~5000人のコーポレートクラスの企業は約1万6000社,PC台数が1000台以上で従業員が5000人以上のエンタープライズクラスの企業は約2000社存在するとしている。

 ミッドマーケットでは,現在ソフトウエアとITサービスに1130億ドルが支出されているが,この金額は2010年までに1520億ドルまで増加すると予想されている。IDCリサーチは,世界中の中小企業(SMB)のソフトウエアに対する支出は,エンタープライズクラスの企業のそれを今後3年間のうちに上回るだろうと予測している。

市場開拓には複雑さの解消が必要

 ミッドマーケットの企業では,1~5人のITゼネラリストがあらゆるIT業務を処理している。そのためMicrosoftは,このような企業に対する最優先課題は複雑さの解消であると認識している。

 Microsoftは複雑さの問題を解決するための様々なリソース,ツール,および製品を用意している。

  • Midsize Business Centerは,30カ国で地元言語にローカライズされている。
  • Solution Finderは,サードパーティ製ソリューションの検索を支援する。中堅企業は戦略的にリソースの優先順位付けを行い,収益と生産性を向上させるソリューションを見つける必要があるので,Microsoftはこのツールの重要性を認識している。
  • Microsoft Product Licensing Advisorは,ボリュームライセンシングプログラムの比較と価格予想を行う。
  • Open Valueライセンシングプログラムはヨーロッパ,中東,アフリカ(EMEA)で急速に伸びているオプションである。Software Assuranceが含まれ,サブスクリプション,全社契約オプション,個別購入オプションから選択できる。

 ミッドマーケット戦略の中核になるのは,Windows Server 2008(開発コード名「Longhorn Server」)をベースにして,実績のある小規模企業向け製品Small Business Server (SBS)をモデルにしたサーバー製品「Centro」セットである。Centroは,Exchange,Forefrontセキュリティ製品などのテクノロジを統合することによって,セットアップから管理にいたるまで,複雑さを解消することを目的としている。

“真ん中の子供”症候群で置き去りにされていた

 Microsoftのミッドマーケット担当ゼネラルマネージャのDavide Vigano氏に,Microsoftがミッドマーケットに寄せる関心についてコメントを求めた。Davideは,Microsoftを含むIT業界は,エンタープライズと小規模企業に集中しすぎて「“真ん中の子供”症候群(middle child syndrome)」を作り出してしまった,と話してくれた。

 Davideによれば,「中堅企業はエンタープライズクラスの企業のニーズを持っているが,リソースは小規模企業レベルにある。IT業界は中堅企業で働く人々にあまり注意を払っていなかったため,単純でありながら強力で卓越したソリューションを中堅企業に提供する努力を怠っていた」という。

 読者の所属する企業がITへの投資の重要性を認識していない場合は,来年になってミッドマーケットにMicrosoftが注目しているという事実が,経営陣にその重要性を訴える助けになるかもしれない。IT専門家は,ITへの投資が最終損益に良い結果をもたらすことを知っている。そして今,それを証明するデータも揃っている。